2017年5月15日(月)
人権擁護の観点欠落
精神保健法改定 倉林氏が批判
参院厚労委
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日本共産党の倉林明子議員は11日の参院厚生労働委員会で、障害者施設での殺傷事件の「再発防止」を口実に進められてきた精神保健法改定案について、精神障害者の措置入院後の支援に警察の関与を強めるなどの見直しは「継続支援に名を借りた監視体制づくりにほかならない」と批判しました。
倉林氏は、改定案に「精神障害者の人権を尊重するほか、精神障害者の退院による地域への移行が促進されるよう十分配慮しなければならない」との項目が新設されたことは重要だとしつつも、「人権尊重の観点からの見直しが今回のような改定になるのか」と指摘しました。
倉林氏は、精神障害者に対して「自傷他害の恐れ」があると判断された場合に行政命令で入院させる措置入院の判断基準が自治体によってばらつきがあると指摘。「人権はどこに住んでも等しく尊重されるべきで、措置入院という権利制限の格差解消こそ取り組むべきだ。精神障害者の人権擁護の観点が欠落している」と迫りました。
倉林氏は、「入院から地域へ」を目指した前回改定の総括と検証すらまともにできていない実態を強調。「すでに整備されている社会復帰支援の枠組みを現実的に生かしていくべきだ。犯罪防止を改正目的としてしまったことで、これまでの障害者の権利を擁護し、入院から地域へとしてきた流れも壊しかねない」と批判しました。