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2017年5月15日(月)

NHK日曜討論 小池書記局長の発言

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 日本共産党の小池晃書記局長は14日のNHK「日曜討論」で、北朝鮮のミサイル発射や安倍晋三首相の改憲発言、「共謀罪」法案などについて各党の代表と議論しました。


北朝鮮のミサイル発射

対話の流れに注目 徹底した外交努力を

 北朝鮮が同日早朝、弾道ミサイルを発射したことについて、各党とも厳しく批判しました。小池氏は、北朝鮮の度重なるミサイル発射は国連安保理決議や日朝平壌宣言に反すると抗議をした上で、国際社会が北朝鮮との対話を通じて解決しようとする流れができつつあることを「注目すべき変化だ」と強調。「軍事対軍事の悪循環を強めることは、国際社会の一致結束した動きへの逆行になりかねない。日本は厳格な経済制裁の強化と一体に、外交交渉で北朝鮮が核ミサイル開発を放棄するように、徹底した努力をするべきだ」と述べました。

 また、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)新大統領の就任について、小池氏は「韓国国民の、公正な社会と平和への強い願いを受けて誕生した大統領だ。核・ミサイル開発を北朝鮮に放棄させる対話を進展させることを期待したい」と表明しました。

 その上で、文氏と中国の習近平国家主席が北朝鮮の核問題解決に向けて6カ国協議の再開を目指す方向で一致し、ロシアのプーチン大統領もこれを求め、アメリカのトランプ政権も対話に前向きな姿勢であることを挙げ、「安倍首相は6カ国協議が意味ないと述べたが、世界の流れに背を向けるのではなく、北東アジアを本当に平和な地域にしていくためのイニシアチブを日本政府が果たすことを求めたい」と強調。日韓関係については、「日本が過去に行った侵略戦争・植民地支配に対する反省を土台にして、両政府で誠実な話し合いをしていくべきだ」と述べました。

首相の改憲発言―9条への自衛隊の明記

憲法擁護義務違反 五輪憲章に反する

 安倍首相が憲法9条に自衛隊を明記し高等教育の無償化を加えて2020年に新憲法を施行させると発言したことについて、自民党の下村博文幹事長代行は「自民党総裁としての発言だ」と、あくまでも党内議論に向けた発言だと主張。「高等教育の無償化は他党においても十分議論に乗ってもらえるのではないか。実際に3年後のタイムスケジュールなら可能だと首相は考えているようだ」と述べました。

 民進党の福山哲郎幹事長代行は「行政府の長が年限まで決めて提起するのはやりすぎの感は否めない」「自民党内も閣僚も9条改憲についての考えはばらばらだ。発言は撤回したほうがいい」と批判しました。

 小池氏は、NHK調査でも9条改正が「必要ない」は57%、「必要だ」は25%だと指摘し、「国民の多数は(9条改定を)求めていない。国会の憲法審査会で議論のテーマにもなっていない。それを2020年のオリンピックまでに変えるというのは、憲法99条の憲法擁護義務違反だ。立法府に対する行政府の不当な介入、三権分立の否定だ。オリンピック憲章に反するオリンピックの政治利用は許されない」と批判しました。

 維新の馬場伸幸幹事長は「共産党は将来、政権についたら自衛隊を解散すると主張している。同じ土俵で議論できない」と共産党を攻撃しました。

 小池氏は「共産党は政権についたらすぐ自衛隊をなくすとは言っていない。今の安全保障環境を大きく変え、自衛隊がなくても安心だという国民の合意が成熟してはじめて、自衛隊解消に向かうといっている」と反論しました。さらに、首相の改憲発言のベースに改憲右翼団体「日本会議」のシナリオがあることを指摘し、9条を実質的になくす安倍改憲を厳しく批判しました。

 公明党の斉藤鉄夫幹事長代行は「今回の安倍総理の提案は私たちも議論しているもので、公明も『加憲』という形で1項、2項を残したまま自衛隊を明記する方法もあると話している」と述べ、首相の改憲発言に理解を示しました。

首相の改憲発言―高等教育の無償化

予算措置でできる 憲法完全実施こそ

 首相が改憲の目的に挙げた「高等教育無償化」をめぐり、憲法改定が必要なのか議論になりました。

 高等教育無償化を改憲の最優先項目にあげる維新の馬場氏は「所得格差が広がり学校にいけない子どもの問題を解消するため」と述べ、「国会は(改憲の)材料を提供するのが役割であり、最終的には国民が判断するものだ」と正当化。元文科相の下村氏は「財源が非常に厳しいが、憲法で明確化することで加速度をつけて(教育無償化を)実現することは喫緊の課題だ」と述べました。

 これに対し、小池氏は、憲法26条が「義務教育の無償化」をうたっていながら実際にはそうなっていないことを指摘し、「問題は政治の意思だ。憲法に書いたら解決するという問題ではない。憲法は高等教育の無償化を禁止していない。これは法律・予算措置でできるはずだ」と主張しました。

 さらに、「自民党は今まで何をやってきたのか」と述べ、国立大学の運営費交付金の削減、私学助成の負担割合の削減などで学費を引き上げてきたことを挙げ、憲法26条の「能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する」という規定に逆行してきたのが自民党政治だと批判。「今やるべきことは憲法の完全実施だ」と強調しました。

 自由党の玉城デニー幹事長も、「まずは憲法にのっとった上で、教育無償化の議論をすべきだ」と述べました。

「共謀罪」法案

支離滅裂な答弁批判 ボロボロ法案廃案に

 今国会の最大の焦点の一つで緊迫した局面を迎えた「共謀罪」法案で激しい論戦が交わされました。

 公明党の斉藤氏は「これまでの共謀罪とは違う。組織的な犯罪集団であること、計画があり現実に準備行為が行われていることが構成要件だ。一般人が対象になるかについては、(強制)捜査には裁判所の令状が必要。裁判所は犯罪の嫌疑がなければ令状を出すわけがない」と正当化しました。

 小池氏は「前回廃案になった共謀罪の法案でも『組織的な犯罪集団に限る』としており、何の絞り込みにもなっていない。また、裁判所による逮捕状の却下率は0・05%。警察の逮捕状や捜査令状のほとんどが却下されない実態がある。何の歯止めにもならない」と反論。国会で「花見と犯行の下見はどう違うのか」という質問に、ビールと弁当を持っていれば花見で、地図と双眼鏡を持っていれば犯行の下見だと答弁したことを取り上げて「支離滅裂だ」と批判しました。

 さらに、与党側が国際組織犯罪防止(TOC)条約を批准するために共謀罪の必要性を主張することについて、「政府は国際条約の会議で『TOC条約はそもそもテロ対策ではない』などと言っているではないか。でたらめはやめて、ボロボロの法案は廃案にするしかない」と強調しました。

 民進党の福山氏は「金田勝年法相の答弁も二転三転しており、一般人が捜査の対象になるかならないかもはっきりしていない。きちんと議論をして廃案を求めたい」と述べました。

 自民党の下村氏は、TOC条約に加盟するためには「共謀罪」法案が必要だと破綻済みの議論を最後まで繰り返しました。


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