2017年5月14日(日)
汚染土壌の規制緩和
改定対策法成立 武田氏が批判
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汚染土壌の扱いに関する規制を緩和する改定土壌汚染対策法が12日の参院本会議で自民、公明、民進、維新各党などの賛成多数で可決・成立しました。日本共産党と「沖縄の風」は反対しました。
改定案は、汚染された土壌を臨海部の工場などで掘削・盛り土する際の届け出について、「工事毎に、事前に」から「年1回程度、事後に」へ変更。移動・搬出時の汚染土壌処理の義務も緩和します。事業者の責任が曖昧になり、汚染が拡大する危険があります。
本会議に先立つ11日の参院環境委員会で、質疑と反対討論に立った日本共産党の武田良介議員は、「産業界の要求に従って規制強化の流れを転換するものであり、国民の健康の保護に反する」批判。基準値を超える汚染物質を含む土壌が野ざらしにされるなど不適正処理の事例が頻出し、対策を求める世論が高まったことで規制が強化された経緯に逆行すると指摘しました。
また、東京・豊洲新市場の土壌汚染問題を例に、事後届け出になれば都道府県が十分なチェック機能を果たせなくなったり、事業者と癒着して汚染度合いを過小にみせる「官製土壌ロンダリング」が横行しかねないと強調。「規制緩和によって、第二第三の豊洲問題を生み出してはならない」と主張しました。