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2017年5月9日(火)

豊洲移転中止、都民のくらしと福祉を優先させる都議会を

―2017都議選の訴えと重点公約(要旨)―

日本共産党東京都委員会

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 日本共産党東京都委員会が8日に発表した都議選政策「豊洲移転中止、都民のくらしと福祉を優先させる都議会を―2017都議選の訴えと重点公約―」の要旨を紹介します。


1 どういう都議会をつくるかが問われる選挙です

(1)日本共産党を伸ばして、都民の利益を第一にする都議会を

 石原、猪瀬、舛添の3代都知事のもとで、大型開発優先、くらし・福祉に冷たい都政がすすめられました。歴代知事とともに“利権、私物化、情報隠し”という都政の“闇”をつくりだしたのが、与党として知事を支えた自民党・公明党です。

 日本共産党都議団は、自民党・公明党と対決し、都政を前にすすめてきました。猪瀬、舛添両知事の「政治とカネ」の問題を徹底追及し、辞職に追い込みました。都民のくらしを守る施策を提案し、一歩一歩前に進めてきました。築地市場の豊洲移転に一貫して反対し、豊洲新市場の地下に盛り土が行われていなかったことを発見するなど、都のごまかしを告発し続けてきました。

▽都議選の対決軸―日本共産党の躍進で都民要求実現と都政改革を前にすすめるか、自民党・公明党によるくらし・福祉に冷たい都政を許すのか

 日本共産党の躍進で自民党・公明党に審判を下し、くらし・福祉最優先の都政をすすめる都議会をつくりましょう。そして、安倍暴走政治に審判を下し、国政における野党と市民の共闘を発展させましょう。

(2)最大の争点は、“豊洲新市場への移転を強行するか、築地市場の本格的再整備に踏み出すか”です

▽深刻な汚染土壌を残している豊洲に生鮮食料品市場をつくることは、食の安全・安心の点から許されません―どう解決したらいいでしょうか

 ●汚染を取り去ることができない土地への市場建設など、とんでもありません

 政府・農水省は、「都が汚染の除去の措置を行わず、盛り土等のみを行った状態で卸売市場の用地とすることについて想定し得ない」としています。

 豊洲新市場の土地は、もともと、東京ガスの工場があり、32年間にわたって石炭・原油からガスの製造が行われました。2008年には環境基準の4万3000倍のベンゼンが検出されました。

 今年3月の都の専門家会議による再調査で、環境基準の100倍のベンゼンなどが検出されました。汚染を取り去ることができない土地への市場建設など、とんでもありません。

 ●盛り土すらされていなかった

 しかも昨年9月、日本共産党都議団の調査によって、豊洲新市場の主な建物の下には盛り土すら行われておらず、地下空間になっていることがあきらかになりました。専門家会議も、将来、地下空間に気化したベンゼンなどを含むガスが侵入し、1階部分へも侵入するリスクを指摘せざるをえませんでした。

 汚染土壌は除去されておらず、盛り土での遮断も行われていません。地下も地上も危険であることがはっきりしました。日本共産党は、豊洲移転をきっぱり中止させます。

 ●80年の歴史が証明する築地の安全

 自民党などは、「築地市場も汚染されている」「老朽化している」と攻撃しています。しかし、築地市場と並外れた土壌汚染地の東京ガス豊洲工場跡地とを同列に論ずること自体、都民を欺くものです。老朽化は、自民党・公明党都政が整備に必要な予算をつけてこなかったことが原因であり、改修などをすればよいことです。

 ●築地市場の再整備こそ解決策

 都の市場問題プロジェクトチームの小島敏郎座長は、築地市場の改修は可能だとする試算を示しています。築地市場の再整備について、さまざまな提案が出されはじめており、費用、工事期間、営業との両立の面で十分可能です。都民、専門家の英知をあつめ、市場関係者の合意をえながら、再整備に本格的に踏み出すべきです。

▽豊洲新市場への移転を中止し、大手ゼネコンに都民の税金を食い物にさせてきた都政の利権構造にメスを入れる大きな一歩に

 豊洲新市場の主な三つの施設の建設工事は、スーパーゼネコン3社を中心とする三つの企業グループが、それぞれ競争なしの「一者入札」で、落札率平均99・87%の高値で落札しています。日本共産党都議団の追及で、都は「一者入札」を排除する制度改革に踏み出しました。

 日本共産党の躍進で、豊洲移転を中止し、都政の利権構造にメスを入れる大きな一歩にしていこうではありませんか。

▽移転中止・築地再整備の日本共産党か、移転推進の自民党・公明党か

 東京都は、ウソとごまかしで豊洲新市場の汚染問題をおおい隠そうとしてきました。日本共産党は、汚染された土地への生鮮食料品市場移転の危険性を示し、豊洲移転の中止をもとめてきました。

 自民党・公明党は、日本共産党の追及を非難してきました。今日の事態は、日本共産党が批判してきた通りになっています。

 それでも自民党は無反省のまま、「豊洲市場の安全は証明された」と都民を欺き、「豊洲市場への早期移転」を最大公約に掲げ、公明党も「豊洲移転に向け、着実かつ確実な前進にとりかかるべき」と、小池知事に早期決断をせまっています。

▽「都民ファーストの会」の立場が問われています

 「都民ファーストの会」は、豊洲移転問題に対する態度を明らかにせず、豊洲移転推進の公明党と選挙協力を行っています。

▽日本共産党の躍進で都民の命と安全に責任をおう都議会を

 日本共産党の躍進で、破たんが明確な豊洲移転にしがみつく自民党・公明党に審判を下し、都民の命と安全・安心に責任を負う都議会をつくろうではありませんか。

(3)巨大開発推進の「逆立ち都政」をただし、都民のくらしと福祉最優先の都議会を

 豊洲移転の本当の狙いは、築地市場跡地の開発と、豊洲の区画整理事業という二つの巨大開発事業をすすめることにあります。

 石原・猪瀬・舛添の3代都知事のもとで、都民の税金の使い方は大きく変えられました。石原都政の前年の1998年度決算と2015年度決算を比較すると、都の民生費の割合は全国47都道府県で3位から32位に転落し、なかでも老人福祉費は2位から42位に転落しました。一方、土木費の割合は40位から21位にアップしています。自民党・公明党は、巨大開発のために都民のくらしと福祉が切りすてられる逆立ちした都政をささえ、都政をゆがめてきました。

▽日本共産党の躍進で不要不急の大型開発をストップさせれば、くらし・福祉を大きく充実させる道がひらけます

 小池知事が編成した予算には都民要求にこたえる施策が一定程度盛り込まれましたが、外かく環状道路や特定整備路線など、石原都政以来の幹線道路整備に偏重した予算配分は変わっていません。

 日本共産党都議団は、小池知事の予算案について、前向きの変化の面を評価し、賛成しました。同時に、巨大開発にメスを入れるなど一般会計予算の2・8%を組み替え、63項目の都民施策を拡充する提案をしました。

 不要不急の大型開発やムダづかいにメスを入れる立場にたってこそ、都民のくらし・福祉を充実させることができます。

▽さらに2兆円をつぎこむ外環道の延伸など、都政の「逆立ち」をさらに進める自民党・公明党

 東京外かく環状道路の建設工事は、住民の立ち退き、環境破壊をもたらし、整備費は1兆6000億円、1メートルあたり1億円にもなります。自民党・公明党などの都議会議員がつくる「外かく環状道路建設促進議員連盟」は、外環道のさらなる延伸を求めています。さらに2兆円ものお金がかかることになります。巨大開発に巨額の税金を投じ続ければ、くらしと福祉の財源は足りなくなります。

 ―小池知事の外環道延伸推進の立場が問われています

 小池知事は外環道の延伸について、「早期具体化にとりくんでいく」と答弁し、自民党・公明党と同じ立場です。

 オリンピック経費の2兆円が大問題になっている時に、20キロの道路整備に2兆円ものお金を使うことが許されるでしょうか。

 小池知事のこうした姿勢を変えるうえでも、都議選で日本共産党をもっと伸ばすことがカギになっています。

(4)都議選は、国政の流れを左右します―日本共産党の躍進で9条改憲ノー、安倍自公政権の暴走をおわらせる野党共闘の発展を

 4年前の都議選で日本共産党は8議席から17議席へと躍進し、その後の参議院選挙、総選挙などの連続躍進の出発点となりました。

 安倍首相は2020年の施行をめざし、憲法9条の改定にとりくむことを表明しました。絶対に許すわけにはいきません。

 今度の都議選で日本共産党を伸ばすことは、国政でも野党共闘をさらに発展させる力となります。日本共産党の躍進で、“ボロボロの暴走車”安倍政権と自民党・公明党に退場の審判を下しましょう。

2 日本共産党都議団の実績と公約

(1)前回17人に躍進した日本共産党都議団は、都民運動とむすんで数々の実績をあげてきました

▽「盛り土なし」の発見で、豊洲問題が都政を揺るがす大問題に―党都議団は、誰もが認めるチェック機能を発揮してきました

 豊洲問題も、日本共産党都議団が新市場の「盛り土なし」を発見し、都政をゆるがす大問題に発展しました。

 都議会の百条委員会でも、日本共産党都議団は浜渦元副知事の関与を示す文書をつきつけて追及し、偽証告発の流れをつくりました。自民党・公明党が百条委員会の幕引きを狙うなかで、日本共産党は徹底追及で大きな力を発揮しています。

 ―“良いものは積極応援、悪いことには是正を迫る”党都議団の「是々非々」の立場でのとりくみは、小池都政の変化をひき出しつつあります

▽議案提案権を生かしての16本の条例提案は、他党がまねのできないとりくみ―都民要求実現の推進力

 前回の都議選での躍進で日本共産党都議団は議案提案権を再び得て、16の条例提案を行い、要求実現に大きな力を発揮しています。

 ―認可保育園5万3000人の定員増を実現し、公約を超過達成できたのも党都議団の提案

 認可保育園増設のために用地費を補助する条例案を提出し、その後、用地費補助を一部実現。活用可能な都有地を具体的に示し、都に都有地活用のとりくみもスタートさせました。今年度予算でも待機児解消目標の大幅引き上げや保育士給与引き上げのための補助の拡充などが実現。日本共産党は、4年前の都議選で認可保育園3万人分の定員増を公約しましたが、それを大きく超える5万3000人の定員増を実現しました。

 ―特養老人ホームも2万人の増設という目標をかかげさせ、整備のペース引き上げを実現

 ―私立高校の授業料無償化の拡充と都立高校生への給付型奨学金の創設、入札制度改革、費用弁償の廃止などの議会改革なども、日本共産党の提案がみのったもの

 高校生の学費負担軽減をもとめる質問を行い、請願の採択にも力をつくしました。小池知事による「都独自の給付型奨学金」の公約の具体化をもとめて質問し、具体的な提言を提出しました。

 こうした提案がみのり、今年度予算で私立高校授業料無償化が拡大され、都立高校生への給付型奨学金も創設されました。

 日本共産党都議団は談合が疑われている競争なしの「一者入札」問題を追及し、都は「一者入札」排除の制度改革を発表しました。

 都議会改革では、議員報酬とは別に議会に出るたびに1日1万円〜1万2000円支給される費用弁償の定額支給を廃止する条例案(実費支給)を、2015年3月の都議会で他会派と共同提案。自民党・公明党などが採決に反対し、2年間にわたって実現が阻まれましたが、今年3月の議会で廃止が決まりました。

(2)日本共産党の重点公約―予算の使い方を変えれば実現できます

 都の予算は、総額で約13兆円、スウェーデンの国家予算並みの規模です。くらし・福祉を充実させる財源はしっかりと確保できます。

 ―予算の2・8%の組み替えだけで実現できる都民要求

 日本共産党が都議会に提出した予算の組み替え提案でも、予算のわずか2・8%の使い方をあらためるだけで、国民健康保険料の軽減、公立保育園建設の整備費補助、シルバーパスの負担軽減、都営住宅の新規建設など63項目の都民施策を実現できることをあきらかにしました。

 日本共産党が大きく躍進すれば、巨大開発にメスを入れ、予算の使い方を根本からただすことができます。

 私たちは、つぎの八つの重点公約の実現のために全力をつくします。

 (1)築地市場の豊洲新市場への移転はキッパリ中止し、築地市場の再整備に本格的に踏み出します

 (2)2020オリンピック・パラリンピック東京大会を、くらし・環境と調和した平和の祭典として成功させます

 ●オリンピック経費の節減と透明化をすすめます

 ●国に対して、開催国にふさわしい責任を財政的にもはたさせます

 (3)保育園の待機児ゼロを実現し、高齢者福祉のたち遅れの打開、働く人の給料を引き上げ、中小企業の営業をまもり、都民のくらしと福祉をささえます

 ●認可保育園を9万人分増設し、待機児ゼロへ

 ●特別養護老人ホームの待機者ゼロをめざして2万人分増やし、介護人材の賃金引き上げへ、独自の助成を実現します

 ●子育て支援を充実し、「子どもの貧困」のない東京をめざします

 ●シルバーパスは、1000円パスの対象をひろげるとともに、その対象外で所得の少ない人に3000円のパスを発行します

 ●国民健康保険料(税)を1人1万円、介護と後期高齢者医療の保険料をそれぞれ5000円引き下げ、医療・介護の負担を軽減します

 ●障害者が安心してくらせるよう、国連の「障害者権利条約」が生かされる東京をめざします

 ●若者が安心して学び、働き、社会の中で生き生きと生活できる東京をつくります

 ●家賃補助や都営住宅の新規増設などで住まいの安心を支援します

 ●中小企業への支援をすすめ、都内労働者の最低賃金は時給1500円をめざします

 (4)多摩格差の解消へ、子どもの医療費助成・小児医療・周産期医療を拡充します

 (5)35人学級の実現など、子どもたちが健やかに成長できる教育をすすめます

 ●都独自の給付制奨学金の拡充、私立高校の入学金と施設費の負担の軽減、小中学校等の学校給食費の負担軽減、就学援助の拡充などのとりくみをすすめます

 ●教職員の長時間労働・非正規化を是正するとともに、子どものことを第一に考え、協力しあえる民主的な学校運営を大切にします

 ●卒業式などでの「日の丸・君が代」のおしつけ、侵略戦争美化や憲法否定の教科書や教育内容のおしつけをやめさせます

 (6)「原発ゼロ」とともに、住宅耐震化の抜本的強化など、震災の予防対策に力を入れます

 ●原発ゼロへ、国に強く求めるとともに、再生可能エネルギーの導入、省エネ対策強化を

 ●住宅などの耐震改修助成の抜本的拡充、堤防や水門などの耐震対策を急ぎ、震災時の出火防止に効果がある感震ブレーカーの普及をすすめるなど、都の災害対策を予防第一にあらためます

 (7)安倍首相が狙う9条改憲を許さず、「核兵器禁止条約」の推進、オスプレイの横田基地配備撤回、憲法が輝く平和・人権都市東京をめざします

 ●憲法改悪を許さず、憲法を都政に生かします

 ●核兵器禁止条約の締結をめざし、「核兵器禁止条約の国連会議」を欠席した日本政府に態度をあらためるよう都政の場からも強く求め、国際社会へも働きかけます

 ●オスプレイの東京への配備をやめさせ、横田基地の全面返還を求めます

 (8)都議会改革・都政改革をさらに前進させます

 政務活動費の飲食や新年会費などへの支出を禁止します。現行の海外都市調査のやり方は中止し、抜本的改善をはかります。

 情報公開は原則開示とし、非開示は最小限にとどめるようにすべきです。大手ゼネコンの談合にメスを入れる入札制度の改革をすすめます。


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