2017年5月6日(土)
消滅時効の解釈問う
仁比氏 性暴力被害者保護充実を
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幼少時に家族から受けた性暴力の損害賠償について、法務省の小川秀樹民事局長は「被害者の保護をはかる必要の非常に高い事案だ」として、加害行為があった時点を消滅時効の起算点とするのではなく、被害者が心的外傷後ストレス障害(PTSD)を発症した時点とするなどの解釈が民法改正後も可能だとする見解を示しました。4月25日の参院法務委員会で、日本共産党の仁比聡平議員の質問に答えました。
小川局長はさらに被害者本人が成人または親の支配から完全に独立した時点とすることも「一つの考慮要素になる」と答えました。
また、これまでじん肺、肝炎など多くの民事訴訟の提訴に裁判所は、被害から20年で「除斥期間」が経過したとして門前払いしてきましたが、小川局長は「改正案では、20年の消滅時効について権利乱用についての審理をせずに請求を棄却することはできなくなる」と述べました。
仁比氏が、さらにB型肝炎の再発の場合は「新たな被害をもたらすもので別の損害であり、起算点も別に解すべきで除斥期間ではなく時効とすべき」とただしたのに対し、小川局長は「改正案は除斥期間であることを法的に確定させる性質のものではない。現行法の解釈は依然としていろいろと可能である」と述べました。