2017年5月2日(火)
海自が「米艦防護」実施
初の戦争法任務 米の戦争に参戦の危険
海上自衛隊最大級の艦船であるヘリ空母「いずも」(全長248メートル)が1日、横須賀基地(神奈川県)を出港し、安保法制=戦争法に基づく「米艦防護」を実施しました。米軍の要請を受け、稲田朋美防衛相が命じていました。昨年3月の同法施行後、任務実施は初めて。南スーダンPKO(国連平和維持活動)派遣部隊には「駆け付け警護」が付与されましたが、実施はされませんでした。
1日午前、「いずも」と横須賀沖に停泊していた米海軍の貨物弾薬補給艦リチャード・E・バードは相次いで出港し、同日午後、千葉県の房総半島沖で合流しました。「いずも」は四国沖まで米補給艦と併走しながら防護します。
その後、リチャード・E・バードは日本海に向かい、北朝鮮に軍事的圧力をかけている米原子力空母カール・ビンソンやイージス艦などへの燃料補給などを行うとみられます。
ただ、防衛省は「米艦防護」を実施したかどうかについて、「任務に関することなので答えられない」として公式には明らかにしていません。
「米艦防護」は戦争法の整備で改定された自衛隊法95条の「武器等防護」に基づくもの。米軍などの艦船を武器を使用して防護することになり、米軍の戦争に参戦する危険性が高まります。
「いずも」は「米艦防護」終了後、シンガポール海軍主催の国際観艦式(15日)に参加します。