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2017年5月1日(月)

主張

第88回メーデー

本流と逆流が対抗するもとで

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 きょう、第88回メーデーは、日本でも世界でも歴史の本流と逆流が激しくぶつかりあう歴史的情勢のもとで開催されます。

 安倍晋三内閣は、憲法違反の安保法制=戦争法の強行に続き、「共謀罪」導入、「教育勅語容認」など「戦争する国」づくりへと突き進んでいます。北朝鮮情勢をめぐって、「軍事的選択肢」も排除しないとするトランプ米政権の姿勢を支持・歓迎しています。これに対し、市民運動と野党との共闘が、ますます幅広い人々を結集し、安倍政権と真正面から対決しています。

モラル崩壊と暴走が一体

 国有財産と国の行政機構を私物化した「森友学園」疑惑、不都合な真実を隠蔽(いんぺい)する南スーダンでの自衛隊「日報」問題、繰り返される大臣の暴言・失言・虚偽答弁、ルール無視の強引な国会運営など多数の議席におごり高ぶった異様な事態が続いています。モラル崩壊と一体で安倍政権は、治安維持法の現代版ともいえる「共謀罪」導入、戦前若者を戦場にかりたてた「教育勅語容認」の閣議決定、民意も自治体の権限も貴重な自然までも踏みにじる沖縄・辺野古での米軍新基地の護岸工事強行など暴走を加速しています。

 「働き方改革」の正体も明らかになっています。過労死ラインをはるかに超える月100時間残業にお墨付きを与え、「同一労働同一賃金」といいながら「多様な働き方」に応じた「多様な賃金」を認めます。「残業代ゼロ」や「金銭解雇制度」の導入、労働法が適用されない「雇用関係によらない働き方」の拡大も企てています。

 平和の危機は、市民生活と労働の危機と不可分です。共同をさらに広げ、「ILO(国際労働機関)憲章」がうたう「平和と社会正義」「人道的な労働条件」の実現へ新たな決意を固めあいましょう。メーデーの原点、8時間労働制のたたかいを強めましょう。

 目を世界に転じても、本流と逆流の対抗は明瞭です。

 歴史上初めて、核兵器を「違法化」する国際条約締結へ踏み出そうとしています。追い詰められた核兵器大国は、「核兵器禁止条約の国連会議」の議場の外で妨害者の姿をあらわにしました。米国に追随した日本政府は、出席して不参加を表明するという被爆国の政府として恥ずべき態度をとりました。

 注目すべきは、「国連会議」に市民社会の代表が初めて正式に参加するとともに、「小さな国」が「大きな存在感」を示したことです。

 軍事対軍事の対抗ではなく、平和外交による紛争の解決が世界の本流、日本の世論となっています。

 欧米では、労働者を犠牲にした緊縮政策=新自由主義に対し、極右の台頭などの曲折もありながらも、「99%の国民」のための政治をめざす新たな変革の潮流が生まれています。

新しい政治・新しい日本

 日本国憲法の施行70年―。「個人の尊厳」を掲げ主権者として自覚的に立ち上がる運動と、目を覆わんばかりのモラル崩壊の姿をさらし暴走する安倍政権と、どちらが歴史の本流かは明らかです。

 メーデーを、歴史の逆流=安倍政権の打倒への総決起の日とし、野党と市民の共闘をさらに発展させ、野党連合政府をつくりましょう。歴史の進歩を求める世界の諸国民と連帯し、新しい政治、新しい日本へ道を切り開きましょう。


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