2017年4月28日(金)
森友・財務省面談記録
政府答弁との食い違い次々
籠池氏 昭恵氏の名繰り返す
日本共産党の宮本岳志衆院議員が入手した学校法人「森友学園」(大阪市)と財務省の面会を録音したとされる音声記録から、これまでの政府答弁との食い違いがつぎつぎと浮かび上がってきました。その内容とは―。(三浦誠)
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森友学園の籠池泰典理事長(当時)夫妻が同省を訪問したのは、2016年3月15日。財務省の田村嘉啓・国有財産審理室長ら複数の職員が応対しました。
籠池氏は、森友学園の小学校工事を受注した業者と近畿財務局との打ち合わせ(15年9月4日)について不満を強く伝えます。打ち合わせでは、業者が小学校予定地であらたに確認されたゴミの処分の方法を財務局に相談。財務局側は処理費用が高いことに難色を示し、「(小学校予定地で)場内処分の方向で協力お願いします」と述べていました。
記録「ない」いえず
音声記録によると、籠池氏は近畿財務局と業者の打ち合わせの記録があるとして、財務省の田村室長にその内容を詳細に説明します。
これまで財務省の佐川宣寿理財局長は国会で「交渉記録は残っていない」と繰り返し答弁してきました。
ところが、今月25日の衆院財務金融委員会では、宮本議員の「打ち合わせ記録について、森友学園の関係者から説明や提供をうけたか」という質問に、佐川局長はこう答弁しました。
「記録の提供を受けたかどうかは承知していない」
「ない」とはいえなかったのです。打ち合わせ記録を財務省が持っているのではないか―そんな疑念が強まっています。
安倍晋三首相夫人の昭恵氏のかかわりについても新たな事実が出てきました。籠池氏が財務省と交渉した当時、昭恵氏は森友学園の小学校で名誉校長を務めていました。
財務省との面会で籠池氏は、昭恵氏の名前を繰り返しあげてみせました。
「昭恵夫人のほうからもたしか報告聞いてもらったことがあると思うけど」「(近畿財務局の担当者が)総理夫人のことよく聞くなーと思って」
宮本議員は衆院財金委(25日)で、田村室長との面会時に籠池氏が自身の支援者に「昭恵氏がいることを示唆し、交渉したのではないか」と質問。佐川局長は「具体的な内容について本人(田村室長)は記憶していない」と答弁しています。
昭恵氏付に回答も
田村室長は、15年秋に昭恵氏付の政府職員から森友学園の土地取引について質問をうけ、回答しています。そんな田村室長が、昭恵氏についての話を「記憶していない」というのは不自然です。籠池氏と田村氏を国会に呼ぶなど、徹底解明が必要です。