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2017年4月27日(木)

きょうの潮流

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 「復興、復興といわれても、あれから時が止まったままの人間もいるんです」。東日本大震災6年の取材で被災地を回ったとき、娘と孫を津波にさらわれた女性の話を聞きました▼仏壇にランドセルを供え、涙に暮れる日々。愛する人を奪われた悲しみ、ふるさとを失った苦しみ…。両親を亡くし、殻に閉じこもった子どもの話をした先生は「震災から立ち直った子も、そうでない子もいることをわかってほしい」▼周りの景色が変わっても、元に戻らない傷痕。まして福島はいまだに原発事故のさなかです。それぞれの日常や幸せを断ち切られてしまった被災者。いまも癒えない心を、どれほど傷つけたことか▼「これは、まだ東北で、あっちの方だったから良かった」。派閥のパーティーで今村雅弘復興相が言い放ちました。東北の被災地や被災者に寄り添い、先頭に立って支援する立場の人間が、いたぶるような言葉を平然と口にする。失言のレベルをこえ、人格さえ疑わしい▼もっとも資質の欠如は以前から。原発事故の自主避難者を「本人の責任」と言ったり、「福島の復興はマラソンに例えると30キロ地点」と発言したり。こんな人物を任に就け、かばい続けてきた安倍首相の責任は重い▼4年半余の安倍政権のもとで復興相は5人目に。「東北の復興なくして日本の再生なし」の方針が、いかにうわべだけのものか。被災地でも、沖縄でも、全国でも。国民を傷つけ軽んじる政権が居座っては、失望と怒りが列島に渦巻いていくだけです。


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