2017年4月27日(木)
解雇撤回、職場復帰へ
日本IBMと第3次原告和解
東京地裁
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日本IBM(本社・東京都中央区)による、労働者に解雇を通告して会社から閉め出す「ロックアウト解雇」事件で、東京地裁(阿部雅彦裁判長)で和解が成立し、解雇無効を求める第3次裁判原告の男性4人の解雇を撤回し、うち2人が職場復帰することとなりました。26日、JMITU(日本金属製造情報通信労働組合)日本IBM支部が厚生労働省で会見を行い、発表しました。
同社は、コンピューター産業の巨大多国籍企業IBM(本国・米国)の日本法人。「リストラの毒味役」を名乗って、米国流「解雇自由」を日本に持ち込む野望を打ち砕いた、労働者・労働組合の画期的勝利です。
和解日は25日。復職しない2人については解決金が支払われます。
ロックアウト解雇撤回裁判は、JMITU組合員11人が原告となっており、今回の4人以外に、第1、2、4次訴訟の6人には解雇無効の東京地裁判決が出され、第1、2次訴訟は東京高裁で和解協議中、第4次訴訟は判決が確定しています。第5次訴訟の1人は東京地裁で審理中です。
日本IBMは解雇理由を労働者個人の業績不良としていますが、JMITUは、解雇の真の狙いは、会社都合の人員削減であり、リストラに反対する労働組合を狙い撃ちしたものだと批判していました。2012年以降、解雇通告を受けた49人のうち34人が組合員です。
会見で、6月1日付での職場復帰が決まった男性(56)は「ひとりだけでは、たたかえなかった。労働組合と弁護団、支援のおかげです」と話しました。
岡田尚弁護士は「日本では裁判で解雇無効判決が出ても、職場復帰が難しい。日本IBMで職場復帰する意味は大きい」と強調。安倍政権が、金さえ払えば職場復帰させなくてよいとする「解雇の金銭解決制度」導入を狙っていることに対して、「経営者に雇用責任のモラルハザードを起こす」と批判しました。