2017年4月26日(水)
日本海で日米訓練検討
対北朝鮮 違憲の軍事的威嚇強める
日米両政府は、海上自衛隊の護衛艦と米海軍の原子力空母「カール・ビンソン」との共同訓練を日本海でも実施する方向で検討に入りました。防衛省関係者への取材で25日、分かりました。日本海での訓練は異例です。
米空母との共同訓練はこれまで、太平洋や東シナ海で行っていました。自衛隊幹部は「日本海での訓練は、北朝鮮によりプレッシャーを与える。情勢次第で日本海進出が見送られる可能性もある」と指摘します。
海自の護衛艦2隻は23日午後、カール・ビンソンを中心とする空母打撃群とフィリピン海で合流。北上するカール・ビンソンに合わせ、日本海に向かっています。
共同訓練について、稲田朋美防衛相は25日の参院外交防衛委員会で「海自の戦術技量の向上、米海軍との連携強化を図ることが目的だ」と説明。その上で「憲法が禁じている武力による威嚇に当たることはあり得ない」と述べました。
しかし、安倍晋三首相は、自衛隊と米空母打撃群との共同演習を「高度な警戒監視体制」と公言しました(24日)。それが日本海まで展開することは、軍事対軍事の対抗、緊張をますます高めるもので、憲法9条が禁ずる軍事的威嚇を強めるものです。
政府は24日の衆院決算行政監視委員会で、自衛隊が「共同訓練」の中で米艦防護の行動を取る可能性を否定せず、国民も国会も知らないまま軍事作戦が始まる危険があります。