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2017年4月26日(水)

主張

辺野古の護岸着工

法治と民主の原則に背く暴挙

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 安倍晋三政権は、沖縄の米海兵隊普天間基地(宜野湾市)に代わる新基地建設のため、名護市辺野古の沿岸部を埋め立てる護岸工事の着手を強行しました。沖縄県民大多数の反対の声を踏みにじり、法令上不可欠な沖縄県知事の許可さえ得ないで、新基地建設工事を推し進めようとする暴挙です。米軍統治下の沖縄で「銃剣とブルドーザー」によって反対する住民を強制排除し、新たな基地を建設していったやり方を思い起こさせる無法な強権発動に他なりません。

米軍統治下の無法に匹敵

 護岸工事は、辺野古沿岸部の埋め立て予定地を囲い込む堤防を造るため、大量の石材などを海中に投じ、海底面を変更させる岩礁破砕行為です。法令上、漁業権(漁業を営む権利)の設定されている漁場での岩礁破砕行為は知事の許可が必要です。しかし、仲井真弘多前知事が出した許可は3月末に期限が切れており、護岸工事の着手は明白な違法行為です。

 安倍政権は、名護漁協が新基地建設に関わる海域について漁業権の一部放棄を決議したことにより、知事の岩礁破砕許可は不要になったとしています。しかし、安倍政権の主張は、従来の政府見解と全く異なります。

 政府はこれまで、漁協が一部放棄を決議しただけで漁業権が自動的に変更されるわけではないとしてきました。変更のためには、知事の免許が必要です。安倍政権の主張は、新基地建設ありきで従来の政府見解を百八十度転換する「法治国家」にあるまじき不当極まるものです。護岸工事は直ちに中止すべきです。

 沖縄の米軍基地は、1945年の沖縄戦のさなかから県民を収容所に隔離し、その間に土地を強制接収し、造られていきました。52年に沖縄が日本から切り離された後、さらに大規模な基地建設が進められ、銃剣で武装した米兵が反対する住民を追い出し、ブルドーザーで家屋を踏みつぶし、土地を強制的に取り上げました。

 翁長雄志県知事は、辺野古の新基地建設について「沖縄が米軍に自ら土地を提供したことは一度もない。戦後70年以上が過ぎ、あろうことか、今度は米国ではなく自国の政府によって、『銃剣とブルドーザー』をほうふつとさせる方法で、美しい海が埋め立てられ、基地が造られようとしている」と批判してきました。米軍統治下さながらに法治主義・民主主義をじゅうりんし、護岸工事を強行しようとする安倍政権に一片の道理もありません。

 辺野古の新基地建設の狙いは、「日本防衛」とは関係のない海外侵攻=“殴り込み”を任務にする米海兵隊の一大出撃拠点づくりとその半永久化です。安倍政権は、護岸工事の着手という既成事実をつくり、沖縄県民の諦めを誘おうとしています。しかし、県民の命と暮らしを深刻に脅かす新基地建設は決して許されません。

あらゆる手法使って阻止

 翁長知事は記者会見で、県が求めてきた事前協議にさえ応じず、護岸工事に着手したことを「許し難い」と批判し、差し止め訴訟などあらゆる手法を使って「辺野古に新たな基地を造らせないという県民との約束を実現するため全力でたたかう」と強調しました。今こそ、知事・県民と連帯した全国のたたかいを大きくする時です。


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