2017年4月24日(月)
世界と日本をどうとらえ、どう変えるか 民青が「共産党綱領セミナー」
未踏の領域のチャレンジャーに 志位委員長が講演
日本共産党の志位和夫委員長による日本共産党綱領セミナー「世界と日本をどうとらえ どう変えるか」が23日、日本民主青年同盟(民青)の主催で開かれました。会場となった党本部大ホールは1、2階席とも若者でいっぱいになりました。全国各地で同時視聴会が開かれ、インターネットでも視聴されました。
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主催者あいさつした民青の小山農(みのる)委員長は「世界と日本を変える道筋をみんなで考えたい。日本共産党綱領を学ぶ楽しさを、たくさんの青年に知っていただきたい」と呼びかけました。
講演した志位氏は、党綱領について、(1)いま日本が必要としている変革は何か(2)21世紀の世界をどうとらえるか(3)日本における未来社会の展望について―の三つの角度から解き明かしました。これまでの国会論戦や核兵器禁止条約の国連会議の参加など自らの体験や、マルクス、エンゲルスの著作など豊富なエピソード、さまざまな資料を交えての講演に参加者は聞き入りました。
講演の最後に志位氏は、安倍政権打倒を掲げて取り組んでいる野党と市民の共闘や、核兵器禁止条約を締結する世界的動き、資本主義を乗り越える未来社会を展望するたたかいをあげて、「日本も世界も戦後初めての未踏の領域に踏み出しています。発達した資本主義国で未来社会に踏み出すのは、文字通り人類未踏の道への挑戦です。そういう時代に若いみなさんが活動しているのはとても素晴らしいことであり、未来社会への挑戦は若い皆さんの特権です。未踏の領域を拓(ひら)くチャレンジャーとして人生を歩んでほしい」と呼びかけると、参加者は大きな拍手で応えました。
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最前列で聞き、小さな字でびっしりメモを取っていた徳島県の栄養士の女性(25)は、「志位さんが野党共闘について『多様性は強み』といった言葉が一番印象に残りました。日々の活動でも、お互いをリスペクト(尊重)することを大事にしたい。“未踏の領域を拓くチャレンジャーとして生きてほしい”という言葉に励まされました」と話しました。
東京都内の大学生(20)は、「トランプ政権や欧州での右派勢力の台頭でどうなるのかと思っていたので、核兵器問題でも禁止条約を締結する世界の本流の動きがよく分かり、希望が持てました。日本で政治を変えることがその流れを強くすることになると思います。大学で『ヒバクシャ国際署名』を広げるなど活動を広げたい」と語りました。
世界と日本をどうとらえ、どう変えるか――日本共産党綱領セミナー(レジュメ)
2017年4月23日 志位 和夫
1、いま日本が必要としている変革――民主主義革命について
(1)アメリカの従属国から、本当の独立国へ
・在日米軍基地の異常――四つの「殴り込み」部隊
・アメリカの戦争に「何でも賛成」――ベトナム戦争とイラク戦争をめぐる国会論戦
・安保法制=戦争法廃止は急務、国民合意で日米安保条約をなくし日米友好条約を
(2)大企業の横暴勝手をおさえ、「ルールある経済社会」を
・異常な長時間労働――日本とヨーロッパとの三つの根本的な違い
・「大企業の民主的規制」の意義(1)――「大洪水」を防ぐために避けて通れない
・「大企業の民主的規制」の意義(2)――国際的視野でも、必要で、必然的な方針
(3)民主連合政府と統一戦線――野党と市民の共闘について
・民主主義革命をどうやって進めるか――「多数者革命」と統一戦線
・野党と市民の共闘――戦後初めての流れを実らせよう
・成功のカギ――「多様性」を尊重し、リスペクトの精神で力をあわせよう
2、21世紀の世界をどうとらえるか――「核兵器禁止条約の国連会議」から見えた世界
(1)世界の本流と逆流が鮮やかに浮き彫りになった
・国連加盟国の過半数の政府代表と市民社会代表――本流の姿が力強く示された
・「立場が入れ替わってしまったね」――逆流の追い詰められた姿が世界に示された
・日本政府の不参加と、日本共産党代表団の活動
(2)大国中心の時代は終わり、国の大小で序列のない世界に
・「小さな国」が「大きな存在感」を発揮している
・綱領の世界論――「世界の構造変化」という角度から世界史をとらえる
・「世界の構造変化」が生きて力を発揮しだした――国際政治の「主役」が交代した
(3)軍事同盟に縛られない、非同盟・中立の流れにこそ未来がある
・ASEAN(東南アジア諸国連合)とCELAC(中南米カリブ海諸国共同体)の活躍
・ヨーロッパ――オーストリア、アイルランドなど中立国の自主的立場が輝いた
(4)歴史上初めての核兵器禁止条約が今年中にも誕生する可能性が
3、日本における未来社会の展望について
(1)資本主義という制度の是非が、根本から問われる深刻な矛盾が
・格差と貧困の拡大――統計史上で過去最悪の格差に
・投機マネーの暴走――「投機市場が、企業の活殺の権限をにぎっている」
(2)「人間の自由で全面的な発展」――これこそが未来社会の最大の特質に
・「生産手段の社会化」――社会主義にすすむ変革の中心
・「各人の自由な発展が万人の自由な発展の条件であるような一つの結合社会」
・労働時間の抜本的短縮こそ「人間の自由で全面的な発展」の保障
(3)日本における未来社会の豊かで壮大な展望
・中国をどうみるか――日本共産党第26回、27回党大会の決定
・日本の展望は(1)――「浪費型の経済」を一掃することの意義について
・日本の展望は(2)――自由と民主主義が豊かに花開く
・人類未踏の領域にふみだそう