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2017年4月23日(日)

きょうの潮流

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 テレビがなくなると風の音や鳥のさえずりが聞こえてくる。寂しさよりも新しい世界が立ち上がってくることに気付けた。福島の原発事故をきっかけに節電に徹した人の感想です▼多くの人びとから日常を奪った大災害の後、自分たちの生活や国の形を見直す機運が高まりました。節約に努め、生き方そのものを変えた人も。物があふれる、きらびやかな社会ではなく、つましいながらもみんなが幸せに暮らせる道とは。問いかけは今も続いています▼米国で愛された絵本作家のターシャ・テューダーは「スローライフの母」と呼ばれました。ボストンの旧家に生まれながら華やかな社交界よりも田舎暮らしを選択。自然や動物に囲まれ、いとおしい人たちと寄り添いながら92年の生涯を終えました▼山奥に建てた農家で草花を育て、四季を映した庭をつくりあげ、季節の移ろいの中で過ごした日常。自給自足で時間と手間をかけた手作業を基本に、質素ながら好きなことを心から楽しむ生き方に共感する人は多い▼生誕100年にあたる2015年から日本でも彼女についての催しが各地で開かれています。15日から上映されている記録映画「ターシャ・テューダー 静かな水の物語」は、ときがゆっくり、ゆったり、穏やかに流れていきます▼物ではなく、心の充足を何よりも大切にしてきたターシャ。周りに流されず地に足をつけた人生、日々の暮らしから発する数々の言葉は、豊かさとは、生きる喜びとは何かを、静かに語りかけてくれます。


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