2017年4月23日(日)
私たちが憲法守る
東京 日弁連シンポ
国家権力の拡大 立憲主義に反す
安倍政権が強行採決した戦争法(安保法制)や、軍事と学術の接近、個人の内心への国家介入(共謀罪)など、憲法で保障された権利への危機感が強まるなか、22日、日本弁護士連合会(日弁連)は「問われる憲法の危機 私たちの平和と自由の今を考える」をテーマに東京都内でシンポジウムを開きました。
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田村智幸日弁連副会長は「息のできない社会にならないか不安感を持っている。私たちにできることを考えたい」とのべました。
広渡清吾東京大学名誉教授は基調講演で、安倍政権下で憲法の危機は進んでいるとのべ、「国家権力が拡大し国民の権利が制限されること自体が立憲主義に反している」と指摘。「自民党は憲法全面改正を狙っている。憲法によって自由と権利が守られている私たち国民が、憲法擁護の運動をすすめましょう」と話しました。
パネルディスカッションで元内閣官房副長官補の柳沢協二氏は、安保法制の本質は、日米の軍事的一体化によって自衛隊が紛争に「巻き込まれる」こと、武器使用拡大での自衛隊員戦死の危険であると話しました。米国のトランプ政権によるシリア攻撃や北朝鮮への挑発行為について「軍事的な抑止力に頼らない関係づくりをすべき。武力行使は問題の解決にならない」ときっぱりのべました。
池内了名古屋大学名誉教授は、防衛省と大学が共同し基礎研究などを行う「軍学共同」について、「研究費不足のために協力する科学者もいる。学問の自由と科学者の倫理を守りたい」と話しました。
高山佳奈子京都大学大学院教授は、共謀罪で市民運動の弾圧が容易にできると批判。「証拠がなくても疑いがあれば摘発できる。市民運動にとって重大な悪影響と萎縮効果を生むだろう」と指摘しました。