2017年4月23日(日)
豊洲移転反対広がる
築地再整備 共産党勝利で
告示(6月23日)まで、あと2カ月と迫った東京都議選(投票7月2日)。築地市場(中央区)の豊洲新市場予定地(江東区、東京ガス豊洲工場跡地)への移転問題が最大の争点となる中、市場業者らの間で移転反対の声が広がっています。都議選での躍進をめざす日本共産党は、豊洲移転をきっぱり中止し、築地の現在地再整備に踏み出すよう主張しています。
都議選告示まで2カ月
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豊洲新市場予定地をめぐっては、▽汚染土壌をすべて除去・浄化する▽そのうえで盛り土を行い遮断する―という都の約束がどちらも守られず、「豊洲は科学的に安全」論は崩壊しました。
そうした中、移転計画を検証する都の市場問題プロジェクトチーム(PT)の小島敏郎座長(青山学院大学教授)は、築地市場の再整備が技術的に可能だとする試案を発表。工事費用を734億円と見込んでいます。
PTが8日に築地市場で行った業者のヒアリングでは、業者から「素晴らしい再整備案だ」との声が上がり、業界団体役員の男性は「再整備で一番難しいのは業界調整と種地(作業スペース)だが、われわれが『本当に築地で営業したい』という声を上げなければ」と語りました。
11日に開かれた都と業界団体との協議会でも、移転に慎重な立場を示す東京魚市場卸協同組合の早山豊理事長が「(1990年代に頓挫した)昔の再整備案がよみがえったわけではなく、時間をかけてでも仲卸に問題を投げかけて考えていきたい」と発言。傍聴した市場業者から拍手が上がりました。
築地業者有志と築地女将(おかみ)さん会が18日、同市場内で開いた意見交換会では、「豊洲に行くしかないのかとあきらめていたが、再整備可能だと聞いてたいへんうれしい。実現には、みんなの熱意、不屈の思いが必要だ」「魚の目利きとしてがんばってきた。築地跡地が欲しい人たちに負けたくない。再整備でがんばりたい」との発言が相次ぎました。
築地に買い出しに来る小売店主からも「食の安全は大事だ。移転して被害が出てからでは遅い」との声が出ました。
築地の飲食街、魚がし横丁の業者アンケートでも、全39店舗中、移転反対は30店舗、現状で賛成は1店舗。改修で問題解決するなら受け入れるとしたのが7店舗、無回答1店舗でした。
自民党は「豊洲市場の『安全』は科学的に証明されました」とビラに明記し、早期移転を公約。公明党は、都議会で「豊洲移転に向け、着実かつ確実な前進に取り掛かるべきだ」と移転推進を表明しました。
小池百合子知事が率いる「都民ファーストの会」は豊洲移転への態度を明らかにせず、移転推進の公明党と選挙協力しています。
日本共産党は、都民、専門家の英知を集め、市場関係者のみなさんの合意を得ながら、豊洲移転を中止し、築地再整備に本格的に踏み出して、世界に誇る築地市場を次の世代に引き継ごうと訴えています。