2017年4月21日(金)
薬の知財保護強化は矛盾
“途上国が入手困難に”
井上議員 参院委
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日本共産党の井上哲士議員は20日の参院外交防衛委員会で、日中韓など16カ国で交渉中の東アジア地域包括的経済連携(RCEP)が巨大な製薬企業に有利な医薬品の知的財産権の保護を強化する条項を求め、安価な薬を途上国が入手できなくなる恐れがあると告発しました。
安倍政権が「21世紀のスタンダードにしていく」とする環太平洋連携協定(TPP)には、企業が新薬の承認申請時に提出する安全性・有効性のデータを一定期間非開示とする「データ保護期間」が盛り込まれました。このため、他の国の企業がジェネリック(後発)医薬品を開発することが困難になり、安価な薬を必要とする途上国のエイズ(HIV)患者、マラリア患者などに深刻な影響を与えると批判を浴びました。
井上氏は、政府も推進する国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」が「すべての人々に対する安全で質が高く安価な医薬品へのアクセス」を掲げているとして、「製薬会社の要求に応えて、知財保護を強化することは矛盾している」とただしました。
岸田文雄外相は、知財の保護で新薬の開発が促されるとして、「迅速な医薬品へのアクセスとのバランスを考えなければならない」と弁明しました。