2017年4月21日(金)
精神保健 基盤整備が最優先
倉林氏 厚労相は遅れ認める
参院厚労委
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日本共産党の倉林明子議員は20日の参院厚生労働委員会で、精神障害者の処遇改善が政府の目標からみてもきわめて遅れた実態にあるとして、塩崎恭久厚生労働相に「立ち遅れた状況は続いている」と認めさせました。塩崎氏は7日の本会議で、諸外国や他の障害者施策と「単純に比較するのは難しい」との認識を示していました。
倉林氏は、政府が2004年に策定した「精神保健医療福祉の改革ビジョン」を示し、基本方針の中で明確に精神保健医療福祉体系が立ち遅れているとの認識を示している指摘。精神障害者施策の「入院医療中心から地域生活中心」への転換のために、改革ビジョンが掲げる、10年間で精神病床を7万床解消する目標の達成状況が1.8万床にとどまっていることを明らかにしました。倉林氏は「地域の受け皿となる基盤整備こそすすめるべきだ」とし、政府が今国会で成立を狙う精神保健福祉法改定案を批判しました。
塩崎厚労相は質疑終了後、同法案の政府の説明資料の「改正の趣旨」から相模原市の障害者施設で起きた殺傷事件に関する一文を削除した問題で、異例の「再説明」を行い、混乱を招いたとして謝罪しました。ただ、削減理由については、塩崎氏自身が相模原事件を受けて法案を提起したと明言してきたにもかかわらず、「犯罪防止のための法案との誤解を招かないようにする」ためなどと矛盾する説明に終始しました。