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2017年4月21日(金)

きょうの潮流

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 「保安林でキノコなど山の幸を無許可で採ったら共謀罪の対象犯罪(森林法違反)になるが、海の幸の密漁はなぜ入っていない」。こう野党に問われた法務省刑事局長は「組織的犯罪者集団が現実的に行う可能性がある犯罪を選んでいる」と▼この答弁を聞いて、「共謀罪」法案の恐ろしさといいかげんさの両方を感じた方が多いのではないでしょうか。まったく「テロ」と関係ない行為でも共謀罪ができれば弾圧対象となる恐怖▼一方、「組織的犯罪集団が現実的に行う」というなら海の幸では、という疑問もわいてきます。アワビやナマコなど高級海産物の密漁が暴力団の資金源となっていることは知る人ぞ知る話です▼水産庁によると一昨年の密漁の摘発約1700件のうち約1300件は非漁業者。宮城県で漁業を営む知人は嘆いていました。「暴力団の横行は問題になっている。高性能のエンジンを船に積んでいるうえに、怖いので捕まえられない。共謀罪はいらないから、こっちを何とかしてほしい」▼結局、「テロ対策のために組織的犯罪者集団を取り締まる」といいながら、277にもわたる対象犯罪の根拠はないに等しい。市民監視と弾圧を狙う底意が見えてきます▼「共謀罪」法案をめぐる国会論戦では、警察がすでに市民監視の網の目を張り巡らせていることも浮き彫りになっています。こんな警察に共謀罪という危険極まりない武器を持たせたらどうなるのか。法案の危険性と欺瞞(ぎまん)性を広げに広げて、なんとしても阻止しなければ。


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