2017年4月21日(金)
政府・与党一体で「森友」隠し 資料の“検閲”を当然視
参院国交委 辰巳議員が追及
学校法人「森友学園」への国有地格安売却問題をめぐり、野党の資料提出要求を財務省や国交省が与党の許可がなければ出せないと拒む事例が多発しています。日本共産党の辰巳孝太郎議員が20日の参院国土交通委員会で具体的な事例を示して追及。大塚拓財務副大臣は「本件は相当政治的な問題になっているから、与党の理事に相談するのは普通のことではないか」と述べ、与党による不当な資料の“検閲”を当然視する姿勢を示しました。
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辰巳氏は、財務省理財局国有財産企画課長に資料を要求したところ「与党議員にアポ(連絡)がとれず、許可をとれないので待ってほしい」と再三いわれたことや、国有地売却にかかわる決裁文書の部分的な提出すら「与党の許可なし」として提出していないことを告発。国会審議に必要な資料提出要求への与党の介入を認める大塚氏の答弁に、委員会室は騒然となりました。
辰巳氏は、2008年に野党の資料要求について与党が省庁に「事前報告」するよう求めたことが発覚して大問題になったと指摘。「今回は与党の許可がないと出せないという。与党による事実上の検閲であり、国会審議の形骸化だ」と批判しました。
大塚氏は「事前検閲とか、そういうことではない」と言い訳。石井啓一国交相は「要求資料の公表が(委員会の)理事会協議事項になっている場合、関係議員に事前に説明する必要があると申し上げたものではないか」と述べました。
辰巳氏は、理事会協議の対象になっていない資料でも同様の事例があると反論。「行政機関と与党が一緒になって森友疑惑を隠蔽(いんぺい)しようというものだ」と批判しました。
国民の世論は納得してない
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メディアが実施した世論調査でも、森友学園への国有地格安売却をめぐる政府の説明に対して、「説明していると思わない」82・5%(共同通信、3月25・26両日実施)、「不十分だ」75%(「朝日」15・16両日実施)、「納得していない」68・3%(時事通信、7〜10日実施)という声が圧倒的多数です。安倍首相夫人の昭恵氏が国会で説明する必要があるという声も「朝日」で53%、共同で52%に上ります。
疑惑まみれの「森友」問題を解明するために野党が要求した資料提出を与党の“検閲”で妨害することは、圧倒的な国民世論に背を向けるものであり、政府・与党があげて「森友」隠しに躍起になっている姿を示すものです。