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2017年4月20日(木)

論戦ハイライト

市民監視と一体化 「共謀罪」の危険 今すでに“網の目”が

「大垣警察市民監視事件」例に藤野議員迫真の追及 衆院委

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 警察の情報収集活動は今でも網の目のように広がっている。ここに共謀罪が新設されたらどうなるか―。19日の衆院法務委員会で、日本共産党の藤野保史議員は、警察の情報収集活動を取り上げ、「共謀罪」で市民監視が大手を振って行われる危険を指摘しました。


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(写真)安倍首相(右)、金田法相(その左)に質問する藤野議員(左)=19日、衆院法務委

悪法新設許されない

 161人の刑事法学者が発表した声明は「共謀罪の新設による捜査権限の前倒しは、捜査の公正さに対するさらに強い懸念を生みます」とのべています。

 藤野氏は、岐阜県警による「大垣警察市民監視事件」を取り上げ、「共謀罪が普通の市民の暮らしに何をもたらすかを示す先行事例だ」とのべました。

 藤野 議事録で、大垣署は、住民運動を「孤立化させる」という事業者の話に「了解した」と同意している。明らかに事業者の側に立っている。「不偏不党」と「公正中立」をうたう警察法第2条違反ではないか。

 白川靖浩警察庁長官官房審議官 岐阜県警からは「必要な情報収集を適正に行ったもの」という報告を受けている。

 藤野 警察活動の実態を表している。議事録では、市長に要望書を出すことが「過激な活動」とされている。明らかに警察法2条違反だ。

 2015年に、日本共産党の山下芳生参院議員が、同事件を追及した際、警察庁は住民運動の情報を集めることと企業に提供することを「通常業務の一環」と答弁しています。

 しかし、警察庁は、今国会で「通常業務の一環」という言葉をかたくなに使っていません。藤野氏は「警察庁は、この言葉を避けている。共謀罪と、警察が通常行っている業務が極めて連動し、一体化するからではないか」と迫りました。

規制委会議でも

 さらに、新たな警察の市民監視が判明しました。

 藤野 原子力規制委員会は、会議への警察官派遣を警視庁麻布警察署に要請している。

 荻野徹原子力規制庁次長 不測の事態が予想されることから所轄の警察署に要請している。万一の場合がありうるということで必要な連絡をしている。

 藤野 何回、要請したのか。

 荻野 218回の連絡をしている。

 藤野 極めて異常。万一のことも起きていない。どこの署から、何人の警官がきて、どういうことをやっているのか、聞いているのか。

 荻野 警察官の活動について個別に伺うことはありません。

 警察庁 警備が平穏に終わったときには、結果を報告することはありません。

 藤野 警察の情報収集活動ではないか。今でも網の目のように広がっている。このような状況で共謀罪が新設されたらどうなるのか。

 「共謀罪」では、いつから捜査機関の「捜査」が始まるのかも重大な論点です。

 藤野 金田勝年法相は以前、「実行準備行為の目的についても捜査が行われる」と答弁している。この捜査では、強制捜査も任意捜査も両方含むのか。

 林真琴法務省刑事局長 任意であろうが強制であろうが両方含まれるわけであります。

 藤野 準備行為の前から任意捜査がありうるとなると、外見ではわからないのだから内心をのぞきこむことになる。

  捜査ができる場合、どんな捜査ができるのか、どんな手続きで捜査するのか、刑事訴訟法が定めるところだ。

 藤野 とんでもない。刑法学者が声明で捜査のあり方が「ゆがめられる」といっている。

 金田法相 局長が申し上げた通り。捜査のあり方に変更はない。

 藤野氏は、「外見からわからない段階で捜査が行われる。こんな共謀罪は許されない」と強調しました。

図

 大垣警察市民監視事件 中部電力の子会社が計画する風力発電所に反対する三輪唯夫さんと住職の松島勢至さんが勉強会を開いたことを機に、岐阜県警大垣署の警備課課長らが子会社に三輪さんらの個人情報を伝え、住民運動つぶしの相談をしていた事件。運動と無関係だった近藤ゆり子さんと船田伸子さんも“メンバー”として、大垣署が2人の情報も提供していました。子会社作成の議事録の存在が2014年に明るみに出ました。


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