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2017年4月18日(火)

主張

辺野古護岸工事

法も民意も無視の暴挙許すな

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 沖縄の米海兵隊普天間基地(宜野湾市)に代わる新基地建設問題で、安倍晋三政権は週内にも、名護市辺野古の沿岸部を埋め立てる護岸工事の着手を強行しようとしています。護岸工事という海底の岩礁破砕行為に必要な法的手続きさえ無視しての強権発動です。安倍政権がことあるたびに強調する「法治国家」であれば、到底あってはならない暴挙です。「辺野古(新基地)が唯一の選択肢」という米国への誓約を絶対視し、沖縄のさまざまな選挙で繰り返し「新基地ノー」の審判を下してきた県民の総意に逆らう民主主義破壊の行為は、絶対に許されません。

「法治国家」とはほど遠い

 護岸工事では、辺野古沿岸部の埋め立て予定地を囲い込む堤防を造るため、大量の砕石などが海底に投入されます。本来は、海底面を変更させる岩礁破砕行為として沖縄県知事の許可が不可欠です。

 ところが、安倍政権は、仲井真弘多前知事から得た岩礁破砕許可が3月末に期限切れになったにもかかわらず、更新の申請を行わず、無許可のまま護岸工事に着手しようとしています。名護漁協が岩礁破砕許可を必要とする漁業権(漁業を営む権利)を放棄したというのが口実ですが、これまでの政府見解にも反する解釈です。

 沖縄県は、漁業法に基づき、名護漁協が持つ漁業権のうち新基地の工事区域に関わる部分を放棄した場合でも、「漁場の縮小」を内容とする漁業権の「変更」として知事の免許が必要との立場です。政府の従来の見解も同様でした。変更の免許がなければ新基地工事に関わる区域の漁業権は消滅せず、岩礁破砕許可のない護岸工事の着手は明白な法令違反です。

 翁長雄志知事が、長年示されてきた政府の見解が新基地建設のために恣意(しい)的に変更されたのは「(安倍政権が)常々述べている法治国家(の姿)とはほど遠く、まさに辺野古唯一という視点しかない強硬な姿勢」だと強く批判しているのは当然です。

 護岸工事に先立ち強行されてきた汚濁防止膜の設置や、埋め立て予定地に隣接する米海兵隊キャンプ・シュワブ内の海岸に鉄板を並べて造られている工事用道路などにも大きな問題があります。

 汚濁防止膜は、護岸工事などにより汚れた海水が周辺に拡散するのを防ぐためとされています。しかし、埋め立て区域全体を隙間なく囲んでいるわけではなく、間隔が大きく開いており、汚濁水の拡散防止には役に立たないと指摘されています。海洋への影響は深刻です。

 工事用道路の建設も、防衛省が埋め立て工事のために提出した「公有水面埋立承認願書」などに記載がなく「違法」との指摘が上がっており、県も環境保全対策を含めた資料提出を求めています。

国を追い詰める世論広げ

 安倍政権が新基地建設で無法に無法を重ねるのは、工事の既成事実化で沖縄県民の諦めを誘うのが狙いです。翁長知事は、護岸工事について差し止め訴訟の検討を含めあらゆる法的手段を駆使して対処する考えを示し、最高裁の不当判決で復活した「埋め立て承認」を新たに「撤回」することも宣言しています。

 追い詰められているのは安倍政権です。知事を支え、県民と団結した運動と世論をさらに大きくすることが重要です。


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