2017年4月18日(火)
迫る都議選 対決構図は「自公対共産党」
最大争点は豊洲問題
「移転中止」の声こぞって共産党へ
東京演説会 志位委員長が訴え
東京都議選(6月23日告示、7月2日投票)の必勝をめざし、日本共産党都委員会は17日、志位和夫委員長を迎えた演説会を千代田区の東京国際フォーラムで開きました。都議選をたたかう予定候補者が勢ぞろいし、衆参両院議員、衆院比例・小選挙区予定候補者らが紹介されました。志位氏は、安倍政権の暴走ぶりを告発するとともに、都政のゆがみをつくり出してきた自民・公明両党の姿勢を批判。都議選の対決の構図は「ズバリ、『自民・公明対日本共産党』にあります」と強調し、「今度の都議選では現有17議席を絶対に確保し、新たな議席を勝ち取りましょう。首都東京の底力を発揮し、必ず勝利をつかみ取ろうではありませんか」と力を込めました。
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東京中央卸売市場労組委員長の中澤誠氏、元公明党副委員長の二見伸明氏が応援のあいさつをしました。
志位氏は演説の冒頭、北朝鮮問題に対する米国の動きや国政問題について解明。安倍政権の特徴を、(1)一昨年の安保法制=戦争法の強行を境に、暴走政治にまったく歯止めがきかなくなっている(2)あらゆる分野での暴走を続けながら、同時にモラル崩壊のボロボロ政権の姿になっている―の2点にわたって告発。「都議選で日本共産党を躍進させていただいて、安倍政権と自民・公明に退場の審判を下していただきたい」と訴えました。
志位氏は、都議選の最大の争点は築地市場の豊洲新市場への移転問題だと強調。「この問題は、都民はもとより国民の食にかかわる大問題です」と提起しました。
自民党は「豊洲市場への早期移転」を最大公約に掲げ、公明党は「着実かつ確実な前進に取りかかるべきだ」と推進の旗を振っています。志位氏は冒頭、両党に「都政を任せることはできるでしょうか」と問いかけました。
政府・農水省は2011年3月の資料で、盛り土などで土壌汚染が遮断されれば利用できる一般の土地利用に対し、「生鮮食料品を取り扱う卸売市場用地の場合には(それは)想定し得ない」との見解を示しています。
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なぜ、政府・農水省が「想定しえない」=「とんでもない」とまで言っているのか―。志位氏は「(地震による地盤の液状化や老朽化の進行で)汚染が遮断を破って表に出てくる危険性があるからです。そんな時、生鮮食料品の市場がつくられていたら、甚大な被害が生まれ、国民の健康被害にもつながりかねない」と指摘しました。
だからこそ東京都は、08年の環境調査で豊洲市場予定地から基準値の4万3千倍の発がん性物質ベンゼンなどが見つかった際に、(1)全汚染土壌の除去・浄化(2)盛り土による遮断―の二つの約束をしていました。
志位氏はこの二つの約束がどうなったのかを提起しました。
第1の約束―汚染土壌の除去・浄化はどうか。志位氏は、豊洲市場が東京ガス豊洲工場跡地に建てられたものであることを指摘するとともに、都知事が設置した市場問題プロジェクトチームが3月29日、「操業由来の汚染物質は、すべて除去・浄化することはできなかった」と認めたことを紹介しました。
第2の約束―盛り土による遮断はどうか。
志位氏は、昨年9月、日本共産党都議団の調査によって、豊洲市場の主要な建物の地下は盛り土がされず、地下空間になっていることが明らかにされたと報告。都の専門家会議が3月19日に発表した資料は「(地下空間があることによって)地上部分にも有毒物質が侵入・拡散するリスクを明記しています」と指摘しました。
志位氏は「都民への二つの約束はどちらも果たされていませんでした。土壌汚染に対する政府・農水省の基本的立場に照らせば、豊洲新市場への移転など二重に『とんでもない』ことは、もはや明らかです」と力を込めました。
都政担う資格 自公にはない
豊洲市場移転推進の旗を振りながら「築地市場も汚染されている」という攻撃を行っている自民党などの移転推進勢力について志位氏は、「築地市場80年余の歴史で、有害物資による食品汚染は一度たりともない。食中毒を起こしたことすらない。『築地ブランド』として世界中に信頼されているのが築地市場です」と反論。自民党による攻撃を「営業妨害」と批判した「築地女将さん会」の声明(3月29日)を紹介し、「自民党よ。恥を知れ」と訴えると、会場から「そうだ」の声と拍手が起こりました。
「解決の道はもはや明瞭です。日本共産党は、築地市場の豊洲新市場への移転はきっぱり中止することを強く求めます」と訴えた志位氏。「築地再整備は、費用の面でも、工事期間の面でも、営業との両立の面でも十分に可能です。都民・専門家の英知を集め、市場関係者の合意を得ながら、この道に本格的に踏み出すべきではありませんか」と問いかけると、会場の参加者は「その通り」の声と拍手で応えました。
志位氏は、01年以来豊洲移転を推進し、破綻が明瞭になっているのに反省もなく、なお推進にしがみつく自民・公明両党に「都政を担う資格はありません」と強調し、「自公に退場の審判を下し、都民の命と安全に責任を負う都議会をつくろう」と訴えました。
また、「都民ファーストの会」が豊洲移転についてどう考えるか明らかにせず、豊洲移転推進の公明党と選挙協力を行っている点を指摘。「いったい豊洲移転問題という都議選の最大の争点にどういう態度をとるのか。そのことが問われています」と強調しました。
続いて志位氏は、豊洲移転の背景にある都政のゆがみ=「逆立ち都政」の問題について話を進め、「このゆがみにメスを入れてこそ、都民の福祉と暮らしをよくする道が開けてきます」と強調しました。
都政を動かす共産党都議団
さらに、小池都政が一連の問題で、都民の願いに応える前向きの変化が起こっていると同時に、「逆立ち都政」のゆがみを引きずった問題点もかなりあると指摘。日本共産党都議団は、「是々非々」の立場で、都政を前に動かすために頑張ってきたと強調しました。
志位氏は、日本共産党都議団の4年間の実績を、調査・提案・論戦の三つの角度で紹介。徹底調査でつきとめた豊洲市場の地下空間の発見をはじめ認可保育園の増設、ゼネコンによる談合の温床となっていた「1者入札」の改革、「費用弁償」廃止など都議会改革の前進、豊洲問題究明の百条委員会での抜群の追及など、自公との対比で日本共産党議員団の値打ちを示し、「文字通り都民にとっての『宝の議席』―17議席を守り、さらに前進させ、都政を動かすさらに大きな仕事をさせてほしい」と呼びかけました。