2017年4月16日(日)
きょうの潮流
「ウソの放送、許さない」「ヘイトするより愛がいい」―。夕暮れの東京MXテレビ本社前。三線(さんしん)に合わせてコールが響きます▼1月から続く「デマで沖縄への偏見をあおった『ニュース女子』。訂正と謝罪を求める」行動です。呼びかけた川名真理さんは「内容に涙がこぼれ、何とかしなきゃ。立つことはできる」と▼フリー編集者の川名さんが基地問題に向き合うのは、子ども向け雑誌で「沖縄復帰40年」特集を編集した2012年でした。日本を47人のクラスに例えたイラストを考えました。全体の約4分の3にあたる35個のランドセルを背負っている「沖縄くん」▼「もう限界だ。背負いたくない」といっているのに、見て見ぬふりの他の生徒たち。「基地問題は日本人みんなの問題。誰もがランドセルを背負わなくてもいい方法は?」と問いかけました。「大事なのは、解決を人まかせにしないで、自分たちでとり組むこと。私も『沖縄くん』の気持ちがわかっていなかった」。東村高江、辺野古へ、幾度も通った川名さん▼現場にいたのは、“日当付き活動家”ではありません。戦争を体験した年配者、祖父母から「戦争はダメ」と聞いた若い世代。新基地に反対する「オール沖縄」の思いは、沖縄戦からいまも続く基地被害と米兵犯罪とつながっていたという発見と驚き▼今年は復帰45年です。ここは川名さんにも見習い、沖縄に心を寄せて全国で行動で、示したい。法も民意も無視して米軍基地建設の工事を強行する安倍政権はノーと。