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2017年4月14日(金)

主張

熊本地震から1年

住まい中心の支援こそ強化を

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 熊本地震の最初の揺れの発生から14日で1年です。2日後の本震と合わせ、短期間に同じ地域で震度7の地震が起きたのは、観測史上初めてです。熊本・大分両県に大きな被害を出し、関連死や豪雨被害も含め228人が亡くなり、重軽傷者は3千人近くに上りました。今なお、熊本県では約4万7千人が応急仮設住宅や民間賃貸の「みなし」仮設住宅などで避難生活を送っています。仮設に入れず、自宅を補修しながら暮らす人も少なくありません。「先が見えない」と苦しむ被災者に、国は心を寄せ、財政支援などを強め、生活と生業(なりわい)の再建を急ぐべきです。

公的支援の適用枠広げて

 震度7に2回見舞われ、98%の家が被害を受けた熊本県益城町では被害家屋の7割が解体され、更地が目立つようになりました。熊本地震の特徴のひとつは、膨大な住宅被害です。大分県も含め、19万棟の住宅が損壊しました。とりわけ公的支援の対象外の「一部損壊」が約15万棟と8割近くに上ることは深刻です。日本共産党熊本県委員会のアンケートによれば、「一部損壊」800戸のうち5割以上の修理代が100万円以上になっています。断層のずれによる地震のため、地盤が崩壊した地域も多く、「地盤強化のくい打ちで数百万円かかり、支援金が吹っ飛ぶ」と声が上がっています。

 安心して暮らせる住まいは地域社会や地域経済を再建する土台です。「一部損壊にも支援を」と粘り強い運動により義援金支給を実現させました。「一部損壊」世帯への応急修理や被災者生活再建支援制度の適用は不可欠です。国は同制度の支給額を最大300万円から500万円に引き上げるなどの法改正に踏み切るべきです。

 約4300戸の応急仮設住宅のうち950戸は1DK(20平方メートル)で「狭いので押し入れで夫が寝ている」などという被災者もおり、疲労が増すばかりです。柔軟な住み替えなど住環境の改善は急務です。災害公営住宅の建設を急ぐことは住宅の自力再建を断念した被災者への安心につながります。

 3月末には応急仮設で死後数日たった男性が発見され、衝撃が広がりました。熊本地震で初めての「孤独死」です。県内33市町村に広がっている「みなし」仮設も含め、孤立化や情報格差が生じないきめ細かな支援の強化が求められます。

 被災者の健康悪化が目立ちます。医療費免除を国が継続することも欠かせません。被災自治体の財政がひっ迫しており、国の特別の財政支援が必要です。

 国や県が「創造的復興」の名で県道4車線化など大型事業を推進していることは多くの被災者の願いとかけ離れています。国は、被災者の生活と生業の再建を中心とした復興にこそ責任を果たすことが求められます。

原発を動かす条件はない

 全国で2000以上の活断層が確認されている日本では、熊本地震のような直下型地震が、いつどこでも起きる可能性があります。地震への備えをおこたらず、災害にあっても生活再建への希望が持てるような政治に切り替えることがいよいよ重要です。

 熊本地震では九州電力の川内原発や玄海原発などに対する不安を高めました。日本で原発を動かす条件がないことは明らかです。


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