2017年4月13日(木)
宇宙軍拡 危険な加速
ミサイル防衛 米で緒方副委員長報告
「ヒバクシャ国際署名」よびかけ
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「宇宙の軍事化と核戦力化に反対するグローバル・ネットワーク」の第25回大会が8、9の両日、米南部アラバマ州ハンツビルで開かれました。米ミサイル防衛の心臓部として「南のペンタゴン(国防総省)」の異名をもつ都市での開催で、日本共産党から緒方靖夫副委員長が参加しました。
初日の基調報告者の一人として緒方氏は、日米両政府が北朝鮮の核・ミサイル開発への対応として、弾道ミサイル防衛(BMD)システムの共同開発など宇宙軍事化を加速している危険な情勢について報告しました。
北朝鮮に対し軍事的選択肢を排除しないとするトランプ政権のもとで、安倍政権はBMDシステムの整備を前倒しし、地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」導入のために調査費を計上。2月にはBMD増強と敵の基地をたたく基地攻撃能力を検討するための「弾道ミサイル防衛に関する検討チーム」が自民党内につくられたことなどを指摘しました。
緒方氏は、第3次宇宙基本計画(2015年)の第1目標に、軍事、諜報(ちょうほう)のための宇宙安全保障の確保が掲げられたことを指摘。米国主導の「ミサイル防衛」に日本が深く組み込まれ、地上だけではなく宇宙でも、米国とともに戦争する国になろうとしていると告発しました。
さらに、▽ミサイル防衛は国民の安全を守るものではなく、軍事的優位・先制攻撃の体制をつくり、際限ない軍拡競争と緊張をもたらす▽ミサイル迎撃に実現性がなく、膨大な税金が投入される―と批判。北朝鮮を口実にした宇宙軍拡ではなく、政治的外交的な解決に向けた詳しい政策や、京都などでのXバンドレーダー設置反対運動など日本でのたたかいを多面的に紹介しました。
また緒方氏は、8日午後の会議で、3月末にニューヨークで開催された核兵器禁止条約のための国連会議について報告。会議に世界の市民団体とともに、日本から被爆者を先頭に日本共産党の志位和夫委員長、原水協など多くの団体が参加し、発言と働きかけを通じて、会議の成功に大きな貢献となったことを紹介しました。
同時に、条約化に向け、世論と運動が決定的であると、「ヒバクシャ国際署名」を紹介し、参加者に配布して、署名をよびかけました。
参加者から、「明確な主張と訴えであり、被爆を体験している被爆者の訴えに応えよう」「核兵器の増強は宇宙の軍事化を加速させており、核廃絶はまさに平和にとって死活の課題」など発言があり、その場で50人あまりの署名が集まりました。