2017年4月11日(火)
米国務長官 北朝鮮への「対抗措置」に言及
シリア引き合いに 空母打撃群が近海へ
【ワシントン=池田晋】ティラーソン米国務長官は9日、米ABCテレビのインタビューで、「シリアに対するミサイル攻撃から北朝鮮が受け取るべきメッセージは何か」と問われ、「国際規範や合意に違反し、約束を実行できず、他国への脅威となるならば、いずれかの段階で対抗措置が取られるだろうというメッセージだ」と述べました。国連安保理決議に違反して核・弾道ミサイルの開発を進める北朝鮮に対する警告だとの考えを示しました。
米海軍第3艦隊は同日、原子力空母カールビンソンがシンガポールを離れ、北上を開始したと発表。マクマスター大統領補佐官(国家安全保障担当)は、同空母打撃群が北朝鮮の近海に向かったと報道されていることについて、「それは慎重な対応ではないか」と述べ、事実関係を認めました。
トランプ政権が国際法違反の化学兵器の使用が疑われているシリアへの一方的攻撃の効果を利用して、弾道ミサイルの発射を繰り返し、6回目の核実験の準備を進めていると指摘されている北朝鮮に対し、軍事的な圧力を強めている形です。
ティラーソン氏は「われわれの目標が朝鮮半島の非核化だということは非常に明確だ。北朝鮮の体制転換が目標ではない」とも述べ、退陣を求めているシリアのアサド政権との対応の違いも強調。ただ、トランプ政権の閣僚級からは、アサド政権退陣をめぐって、発言に食い違いも出ています。