2017年4月9日(日)
米政府監査院 「辺野古、滑走路短い」
県内で別のもの確保要求
米政府監査院(GAО)は5日付で公表したアジア太平洋での米海兵隊再編に関する報告書で、沖縄県名護市辺野古の米軍新基地について、滑走路が短く緊急時の任務に対応できないため、県内の別の滑走路の使用の検討を求めました。
辺野古は普天間基地(同県宜野湾市)の代替とされていますが、滑走路の長さは普天間の2800メートルに対して、辺野古は1800メートルです。このため、偶発的事態の際、国連軍の固定翼機などが利用できないと指摘しています。
2006年5月の在日米軍再編ロードマップでは、航空自衛隊築城(福岡県)、新田原(宮崎県)両基地に普天間基地の「緊急時使用」機能を移転することで合意しましたが、報告書によれば、米国防総省は14年4月、12の選択肢を日本政府に提案。ただ、沖縄県内の候補地は1カ所だけだとしており、GAОは「国防総省は日本政府に対して、沖縄県内の別の滑走路を特定できたはずだ」と指摘。県内での別の滑走路の確保を求めました。
また、岩国基地(山口県)に関して、普天間から移転したKC130空中給油機の訓練が海上自衛隊鹿屋基地(鹿児島県)に移転されますが、「これだけでは不十分」だと指摘。日米両政府は今年2月、鹿屋以外の訓練移転先を検討することで合意したとしています。
報告書は、このままでは「部隊を沖縄に戻し、時間と金を消費することになる」と指摘しています。