2017年4月8日(土)
オスプレイ 勝手放題
横田基地拠点に 各地で目撃情報
訓練空域も演習場協定も守らず
米軍普天間基地(沖縄県)配備の垂直離着陸機MV22オスプレイ6機が、同横田基地(東京都)に半月以上居座り、関東甲信越、福島、静岡などで訓練を繰り返しました。各地で目撃情報が相次ぎ、事故や戦争への不安の声が上がっています。(佐藤つよし)
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横田基地にオスプレイが飛来したのは3月5日。22日に普天間基地に戻るまでの18日間にわたり、横田基地を拠点に訓練を実施しました。相馬原(群馬県)、関山(新潟県)両演習場で行われた米海兵隊と陸上自衛隊の共同演習(6〜17日)のほか、東富士演習場(静岡県)で離着陸訓練を繰り返しました。横田基地での離着陸は104回に及びました。
日本中が演習場
横田基地の撤去を求める西多摩の会の高橋美枝子代表は「6機は過去最多で、18日間も最長です。104回には驚きました。やりたい放題で、今までにない激しい訓練でした。自衛隊演習場で訓練しただけでなく、演習場以外の広い地域を飛び回りました。米軍にとっては、日本中が演習場なのでしょうか」と話します。
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福島県金山町の男性(74)は16日午前、自宅の上空を2機のオスプレイが、群馬方向から新潟、山形県境方向へ飛行するのを目撃しました。その2、3日前にも目撃し「初めて見る形の飛行機で、『赤旗』に出ているオスプレイと同じだった」と驚きます。同日、横田基地を午前9時25分に離陸した2機が、11時50分ごろ戻っています。
金山町は米軍が明らかにしている訓練飛行ルートのうち御嶽山・北アルプス沿いから新潟県と群馬、福島、山形県県境を通るブルー・ルートの直下です。
山梨県の北富士演習場全面返還・平和利用県民共闘会議の菅沢三郎事務局長は、同県北杜市明野に住む人から、18日夜に2機を目撃したと連絡を受けました。午後8時20分ごろ、埼玉県方向から八ケ岳方向へ、同30分ごろ甲斐駒ケ岳方向から飛行し富士川沿いを南下しました。菅沢さんは「訓練空域になっていない地域で、どうして飛行するのか」と憤ります。
長野県では県危機管理部危機管理防災課に小諸、上田、千曲、長野各市や中南信の原村、南木曽町などでの目撃情報が400件以上よせられています。
夜間訓練も実施
原村の日本共産党元村議、菊池敏郎さん(67)は20日午後2時46分ごろ、八ケ岳近くの自宅上空を南から北へ飛ぶのを目撃しました。「自治体に飛行連絡もなければ、訓練空域と言われたこともない。米軍は好き勝手に飛ばしている。戦争につながる怖さを感じます」と話します。
「オスプレイに反対する東富士住民の会」の監視活動では、東富士演習場でのオスプレイ離着陸訓練が、7日32回、8日32回、17日4回、18日38回、20日には確認できただけでも20回に及びました。米海兵隊は8、18、20各日には、夜間の訓練を実施しました。
「東富士住民の会」の渡邊希一事務局長は、周辺市街地で低空を飛行したことや、東富士演習場での訓練が中止された17日の隣接する米海兵隊キャンプ富士での離着陸を指摘。「演習場外の訓練は、東富士演習場の使用協定に違反だし、キャンプ富士は通報なしにいつでも着陸できることになる。こんなことは許せません」と批判します。