2017年4月6日(木)
仏大統領候補に要求
核禁止条約締結 NATO解体を
平和団体が「白書」まとめる
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【パリ=島崎桂】フランスの平和・反核団体は4日、核兵器禁止条約の締結や北大西洋条約機構(NATO)の解体など、平和実現への要求項目をまとめた「平和白書」を共同発表し、今月末の仏大統領選の全候補者に平和への取り組み強化を求めました。
白書を発表したのは約50のNGOで構成する「平和への前進」。昨年9月の国際平和デーにパリで行われた「平和のための行進」を機に協力と議論を深め、約7カ月かけて白書をまとめました。
白書は核兵器禁止とNATO解体に加え、多国間主義の推進やパレスチナ国家の樹立を要求。仏政府に対して、▽平和教育の推進▽軍備の最小化▽紛争解決への外交活動強化▽「平和省」の創設―などを求めています。
平和団体「平和運動」のロラン・ニベ氏は記者会見で、欧州で相次ぐテロや中東で続く紛争と混乱、深刻化する欧州とロシアの対立を念頭に、「平和運動の重要性はかつてなく高まっている」と強調。第2次大戦後の独仏和解や、イランの核開発を制限した核合意など、紛争を外交的に解決する実例を示し、「軍拡は解決策にならない」と訴えました。
パリ中心部の共和国広場では4日、白書を知らせるための集会が開かれ、同広場でスケートボードを楽しんでいた少年・少女らも議論に参加。「あなたたちにとっての平和は?」との問いに対し、少年らが肩を組みながら「俺たちがこうしていられること」と答えると、周囲は賛同の拍手と笑いに包まれました。
会場で核兵器廃絶を求める請願書に署名したパリの女子大生、クロエ・ロランさんは、「核兵器は地球も人類も破壊する。個人的には女性の権利拡大に関心があるけど、そういう社会発展も平和が基礎にあってこそだと思う」と語りました。