2017年4月3日(月)
原発被害救済へ一歩
前橋地裁判決 到達と課題を討論
東京電力福島第1原発事故の避難者らが起こした群馬訴訟で、国と東電の損害賠償責任を認めた前橋地裁判決(3月17日)の解説などをしたシンポジウム「福島原発事故賠償訴訟の現段階と課題」が2日、都内で開かれました。日本環境会議と全国公害弁護団連絡会議の共催で、約200人が参加しました。
同様の訴訟は全国で30件近くあり、1万2000人以上が原告で参加しています。
全国公害弁護団連絡会議の鈴木尭博代表委員は「前橋地裁判決は、国の法的責任を認める点で大きな意味を持つ。一方で、原告137人のうち72人の請求を棄却し慰謝料も非常に低いという問題を残した」と指摘。判決の到達点と問題点を分析して「原発被害の救済へ重要なステップに」とあいさつしました。
群馬訴訟の鈴木克昌弁護団長は、「認定金額が低すぎる」として3月31日に70人が控訴したと報告。国と東電が控訴したことに触れて「困難に直面している被害者を、さらにむち打つものではないのか。国や東電は判決で認定された責任を受け止め、賠償や支援の責任を果たすべきだ」と強調しました。
判決の被害・損害論や責任論について吉村良一立命館大学大学院教授と下山憲治名古屋大学大学院教授がそれぞれ解説し、問題提起しました。
この後、判決が迫る訴訟など各地の弁護団が報告し、参加者と討論しました。