2017年4月3日(月)
共通項は「教育勅語」
森友募集案内 政治家ずらり
学校法人「森友学園」(大阪市)が開設を目指していた小学校の募集案内には、同学園を訪問した政治家、著名人がずらりと並んでいます。森友学園との関係を調べると、ある共通点が浮かび上がりました。(三浦誠)
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「幼児教育で大変な実績を挙げられた塚本幼稚園の籠池先生が、此度(こたび)小学校の建設をされることになり、日本にとってこれ程の朗報はありません」。自民党重鎮の平沼赳夫衆院議員は、募集案内にそんなあいさつ文を寄せています。
平沼氏は、2013年9月に森友学園が運営する塚本幼稚園(大阪市)で講演しています。同氏の事務所は「自民党の山田宏参院議員に頼まれて講演をした。あいさつ文は、こちらが書いたものかどうかは分からない」といいます。
山田氏の事務所は、平沼氏に頼んだ事実を認め、自身も同幼稚園からの依頼で「講演した」としています。
目立つ昭恵氏
募集案内には、自民党の鴻池祥肇参院議員、青山繁晴参院議員、参院で自民党と統一会派をくむ「日本のこころ」の中山成彬元衆院議員、西村真悟元衆院議員も登場しています。
最も目立つ扱いだったのは、議員ではなく、「安倍晋三内閣総理大臣夫人」の肩書で紹介されている安倍昭恵名誉校長(辞任)です。
これら政治家と昭恵氏が森友学園と共通するキーワードがあります。「教育勅語」です。
森友学園は園児に、「教育勅語」を暗唱させています。同学園の籠池泰典前理事長は、小学校でも暗唱させるとしていました。
平沼氏は中山氏との共著で、塚本幼稚園を「園児に教育勅語を暗記させています」「暗記しておくことは重要だ」とほめています。
中山氏の事務所は本紙の取材に「教育勅語を暗唱させていると聞いて視察にいった」としています。
鴻池氏は教育勅語の暗唱が「思想的には、わしにあう」(3月1日の会見)と発言。青山氏は議員になる前に、教育勅語の暗唱をほめ、「塚本幼稚園に子どもを通わせてはどうでしょうか」と勧めていました。
昭恵氏も教育勅語の暗唱に「感動しました」と、自らのフェイスブックに書き込んでいます。安倍首相も「妻から、森友学園の先生の教育に対する熱意はすばらしいという話を聞いている」(衆院予算委員会、2月17日)と同学園を持ち上げていました。
侵略戦争美化
教育勅語は戦前の教育の基本です。重大事態があれば天皇のために命を投げ出せと教え込む軍国主義教育の柱でした。そんな教育勅語を礼賛することは、侵略戦争の肯定や美化につながります。
自民党元閣僚の秘書は、こう指摘します。
「政界でも極端に“右”の顔ぶればかりだ。思想的には安倍首相にとても近い。だから森友学園と共鳴するのだろう」
平沼、鴻池、青山、中山の各氏は了解なしに募集案内に掲載されたとしています。口利きの依頼や献金については、自ら公表した鴻池氏を除き、いずれも否定しました。西村氏は回答がありませんでした。