2017年4月1日(土)
日本国民の声 国連に届けた
「国連会議」での活動について
ニューヨークで志位委員長が会見
日本共産党の志位和夫委員長は30日夜(日本時間31日午前)、ニューヨーク市内で会見し、「核兵器禁止条約の国連会議」での活動について、次のように発言しました。
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日本共産党代表団は、3月23日から30日まで「核兵器禁止条約の国連会議」への要請を行い、会議に公式に参加するなどの活動を行いました。
全体として、日本政府がこの会議への不参加を決める下で、被爆国日本の国民の声を国連に届ける活動に取り組むことができたと考えます。
「国連会議」の画期的、歴史的意義
今回の「国連会議」は、文字通りの画期的、歴史的意義を持つものとなっています。
第一は、戦後の歴史で初めて、核兵器禁止条約締結に向けた交渉が開始されたということです。会議の参加者による討論は、真剣で、集中した、そして熱のこもったものとなっています。
こうした会議が開催された背景には、(1)被爆者の一貫した活動、一連の国際会議などを通じて、核兵器の非人道性が国際社会の共通認識となったこと(2)にもかかわらず核保有大国がNPT(核不拡散条約)再検討会議などで行った国際社会への誓約に背く行動をしていること―などが挙げられます。
第二に、この会議が、各国政府と市民社会によって構成されていることは、国連の核軍縮交渉の歴史でも初めてのことであり、その点でもこの会議は画期的なものとなっています。とりわけ被爆者の発言は、各国政府代表にも多大な感銘を与え、会議に道徳的な方向性を示すものとなったと思います。
「国連会議」は、第1会期の議論を踏まえ、6〜7月の第2会期に向けて、条約案の原案が提示されることになります。わが党として引き続き、その成功のために貢献したいと考えています。
日本共産党の活動―世界と響き合った
日本共産党代表団として、「国連会議」に際して、以下のような多面的な活動を行いました。
キム・ウォンス国連軍縮担当上級代表と会談し、会議への「要請文」―「核兵器禁止条約の早期締結にむけた国際的合意を」をお渡ししました。
エレン・ホワイト「国連会議」議長とも会談し、「要請文」をお渡ししました。
文書発言「どのようにして『核兵器のない世界』を実現するか」を、国連に提出し、作業文書として受理されました。
短いものですが、公式の演説(ステートメント)を行うこともできました。国連の会議で党として発言するのは、初めてのことです。
さらに、個別に各国代表団と懇談・要請の活動を行いました。懇談・要請の活動は、36の国・機関と実現しました。多くの国と、まず核兵器禁止条約を締結し、全面廃絶に向かうという点で立場を共有でき、建設的な意見交換ができたと思います。
各国のNGO、PNND(核軍縮・不拡散議員連盟)とも懇談し、協力の関係を強めることができました。
全体として、わが党の活動は会議の目的とかみ合い、会議参加者の立場と響き合うものとなりました。成功に向けた貢献となったと思います。
日本政府の不参加、野党共闘について
会議の参加を通じて、日本政府の不参加が多くの国ぐに、NGOに失望を与えていることを強く感じます。唯一の戦争被爆国にあるまじき態度、根本的に改めることを、改めて強く求めるものです。
同時に、核兵器禁止条約の問題について、野党間でもよく話し合い、前向きの一致を得るために努力したいと考えています。この問題は、世界と日本にとって重大かつ焦眉の大問題です。この課題でも野党共闘を追求したいと思います。
草の根の世論と運動が行方を大きく左右する
最後に、会議の全体を通じて、草の根から「核兵器禁止条約の早期締結」を求める世論と運動を圧倒的に高めることが、この交渉の行方を大きく左右することになると感じています。
「ヒバクシャ国際署名」を日本でも、世界でも、広く集めるなど、草の根からの活動の発展に、わが党としても貢献する決意を新たにしているところです。
懇談・要請をした36の国・機関 (地域別・五十音順)
アジア・太平洋
インドネシア、カザフスタン、スリランカ、ニュージーランド、パプアニューギニア、フィリピン、ベトナム、マーシャル諸島、ラオス
中東・アフリカ
アフリカ連合(AU)、アルジェリア、イラン、ウガンダ、エジプト、ガーナ、ケニア、サウジアラビア、タンザニア、チュニジア、ナミビア、パレスチナ、南アフリカ、モロッコ
欧州
アイルランド、オーストリア、オランダ、マルタ、ローマ法王庁(バチカン市国)
中南米・カリブ海
ウルグアイ、エルサルバドル、キューバ、コスタリカ、ジャマイカ、ブラジル、ベネズエラ、メキシコ