2017年3月31日(金)
豪上院「会議参加を」
ボイコットの政府に
【ニューヨーク=島田峰隆】オーストラリア上院は27日、同日からニューヨークの国連本部で始まった核兵器禁止条約の交渉会議をめぐって、同国政府に「建設的に参加することを求める」とした決議を採択しました。決議は野党労働党の議員が提案しました。
オーストラリア政府は、核保有国と歩調を合わせて、交渉会議をボイコットしています。
決議は「世界全体で今日、約1万5000発の核兵器があり、人類全体に重大な脅威となっている」とし、核兵器は大量破壊兵器のなかで唯一、まだ国際法で禁止されていないと指摘しています。
そのうえで、核兵器禁止条約の交渉会議についてはすべての国連加盟国に参加が呼び掛けられていること、オーストラリアは核不拡散条約(NPT)締約国として核軍縮を誠実に交渉する義務があることを強調し、今回の交渉会議への参加を促しています。
世論調査会社IPSOSが3月に1050人のオーストラリア国民を対象に行った調査によると、同国政府が核兵器禁止条約の交渉を「支持するべきだ」と答えた人は73%で、「支持するべきではない」の10・6%を大きく上回りました。