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2017年3月30日(木)

介護保険法等改悪案 衆院本会議

堀内議員の質問(要旨)

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 日本共産党の堀内照文議員が、28日の衆院本会議でおこなった介護保険法等改悪案に対する質問の要旨は次の通りです。

 介護保険法が成立して17年。「介護離職」は毎年10万人に及び、介護殺人などの悲劇が後を絶たず、相次ぐ負担増や給付抑制が過酷な家族介護に追い打ちをかけています。

 2014年の介護保険法改悪では給付抑制のため、要支援1、2の訪問介護やデイサービスを介護保険から外し、市町村に丸投げされ、無資格者による支援が推奨されました。その結果、専門職の支援は受けられず、心身の状態が悪化する高齢者が増え、生活援助の時間を削られて家族の負担がいっそう重くなるなど深刻な悲鳴が上がっています。

 法案は、自立支援、重度化防止にむけた市町村の取り組みを支援するため、目標の達成状況を評価し、交付金を支給するとしています。介護保険からの「卒業」を目標に、交付金によって介護度軽減を競わせれば、サービス利用の阻害につながりかねません。

 前回の改定で一定以上の所得や預金がある方に、利用料2割負担の導入や施設利用時の食費、居住補助の打ち切りが行われました。

 負担増の影響を調査した「認知症の人と家族の会」は「家族の生活も破綻してしまう」などの実態を示し見直しを求めています。

 厚労省は受給者数だけを取り上げ変化なしとしていますが、それで深刻な実態をはかることはできません。この間の負担増は、要介護者を支える家族の生活をさらに窮地に追い込んでいます。

 法案ではこの上に3割負担を導入しようとしています。高齢者を狙い撃ちにした社会保障の負担増と年金削減のなかで、これ以上の負担増を課せば、高齢者のみならず、介護者・家族の暮らしが破たんしかねません。

 介護医療院は、「生活の場」としての機能を強調し、みとり、ターミナルケアの場であるとしています。患者の生活の質の向上と尊厳が守られるよう、医療介護の人員配置、施設基準について現行の介護療養病床より拡充することが当然必要です。

 「共生型サービス」は、障害福祉の事業所が介護サービスも実施できるよう、基準緩和を行うものです。

 しかし、障害を持つ方たちが真に望んでいるのは、65歳になっただけでサービス支給の縮小・打ち切り、定率負担が課せられる介護保険優先原則を廃止することです。障害福祉事務所が介護事業所を兼ねれば済むことではありません。障害者の生存権、平等権、尊厳を公的に保障する障害者福祉制度を確立すべきで、保険原理の持ち込みは許されません。

 法案は、「我が事・丸ごと」地域共生社会づくりを進めるとしています。厚労省の目指す地域共生社会とは、「効率化」「生産性向上」「自助・互助」「地域住民の助けあい」を最優先に求め、公的責任を後退させ、福祉・介護費用の抑制を狙うもので、今後の社会福祉のあり方を大きく変質させかねません。厚労省は、この地域共生社会で、障害者も高齢者も子育て支援も含めた包括的な支援体制を提起しています。

 この体制は効率化や人材不足解決のために、相談支援窓口や施設、専門職員の供用、兼務を進めるにすぎません。本来必要なのは福祉労働者の処遇を抜本的に改善し、専門職をしっかり配置することです。

 憲法25条は、国民の生存権を保障し、そのための社会保障の向上、増進への国の責務を定めています。その国の責任を果たすことこそ、いまもっとも切実に求められています。


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