2017年3月30日(木)
豊洲開場なら月441億円赤字
都の検証チーム会合で指摘
経営破綻の可能性も
築地市場(東京都中央区)の豊洲新市場(江東区)への移転計画を検証する都の市場問題プロジェクトチーム(座長・小島敏郎青山学院大学教授)の第7回会合が29日、都庁で開かれ、5月をめどに作成する報告書のとりまとめに向けた課題を確認しました。
小島座長は、豊洲新市場が予定通り昨年11月に開場していたら、今年1月に地下水モニタリングで環境基準を大幅に超える有害物質が検出されたことで市場は営業不能となり、月平均441億円の損失が出た可能性があったと指摘しました。
会合では、豊洲新市場の整備に5884億円も投資した上、高い維持管理費に圧迫され、市場会計が資金ショートし、破綻する可能性が指摘されました。
都が築地市場用地の売却額を4386億円と見込んでいることについては過大ではないかと問題視。小島座長は「年間総収益180億円の市場が、豊洲市場に6000億円も投資した。民間なら会社が持たない」と述べました。
破綻を避けるためには、(1)市場使用料の大幅値上げ(2)他市場の売却(3)税金投入―などが必要となるとしました。
築地市場の再整備については、営業しながら改修する技術の進歩や、面積の点で築地に支障がないことを指摘。1階を市場、2階を駐車場とし、設計1年、工期6年、工事費用500億円〜800億円とする築地市場改修の試案を示しました。
豊洲新市場の土壌汚染問題については、市場当局が2011年2月23日の都議会で「無害化された安全な状態」とするために(1)土壌汚染対策を確実に行う(2)東京ガス豊洲工場の操業由来の汚染物質をすべて除去、浄化する(3)地下水の汚染も環境基準以下にする―と約束していたにもかかわらず、すべて達成されていないと指摘しました。