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2017年3月30日(木)

森友問題で政府・与党 真相隠し躍起

首相夫人の関与 疑い強まるばかり

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 国有地の格安売却を受けた大阪市の学校法人「森友学園」(籠池泰典理事長)の疑惑をめぐって、籠池氏の証人喚問(23日の衆参両院予算委員会)以降、安倍晋三首相夫人の昭恵氏の関与を示す証言や資料が出て、8億円値引きにかかわる疑惑の核心が明らかになりつつあります。こうしたなか、政府・与党は籠池氏の「偽証告発」の画策などなりふり構わない疑惑隠しに躍起になっています。


 「森友」疑惑の核心は、異例ずくめの手続きの上、8億円もの値引きで国有地が売却されたことです。

 籠池氏は証人喚問で、国有地取引に関して、2015年10月に昭恵夫人に直接電話をかけ、その後昭恵氏付の政府職員に手紙も送り、その政府職員からは11月に財務省国有財産審理室長に具体的に照会した結果の回答ファクスが寄せられたと証言しました。

 これに対し政権側は「職員個人がやったこと」(菅義偉官房長官)、「(ファクスの内容は)ゼロ回答だ」(安倍首相)と言い逃れに躍起。安倍首相は「私も妻も一切(小学校の)認可にも国有地の払い下げにも関係ない」と繰り返している以上、昭恵氏の証人喚問に応じるのが当然です。

 しかも、28日の参院決算委員会では日本共産党の大門実紀史議員の質問で新たな事実が判明しました。籠池氏が政府職員に送った手紙を独自に入手。その手紙では、(1)50年定借として早い時期に買い取りたい(2)土地の賃料227万円を半額に(3)学園側が立て替えていた土壌汚染除去工事費の支払い―を求めており、翌年の売買契約などで「ゼロ回答」どころか「満額回答」となっている事実が明らかになったのです。時間はかかっても最終的に籠池氏の要望が実現した、それも昭恵氏の関与があったからこそ、「満額回答」になったのではないか―疑惑は深まるばかりです。

 こうしたなか政府・与党は疑惑解明に向き合うどころか、「(籠池氏の証言の)精査をしている」(菅官房長官)と官邸あげて「偽証告発」を画策。自民党の西村康稔総裁特別補佐は告発に向けた証拠集めに、国政調査権の発動を求めていく考えを示しています。

 籠池氏の証人喚問は、予算委での議決に基づくもの。偽証告発するかどうかは、国会の権限であり、委員会で慎重な審査が求められます。しかも西村氏らが申し立てている“偽証”なるものは、昭恵氏が籠池氏側に寄付したとされる100万円の授受の傍証として出された郵便局の振替用紙の筆跡が学園職員のものでなく、籠池夫人のものではないかという、疑惑の本筋から外れたさまつな事柄です。

 いま必要なことは、行政府の国会への介入による真相隠しではなく、昭恵氏らの証人喚問による真相の徹底究明です。


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