2017年3月29日(水)
急増カードローン被害
大門議員 大銀行が生活苦に拍車
首相が対応約束
日本共産党の大門実紀史議員は28日の参院決算委員会で、銀行の個人向けカードローンが急拡大するなかで生活苦の国民が多重債務に陥る危険を告発。貧困をさらに深刻化させるアベノミクスの貧富の格差拡大からの転換を求めました。
大門氏は、安倍内閣の発足後の2013年から急増した銀行の個人向けカードローンの貸付残高が2016年には5兆4377億円で、サラ金など貸金業者の貸し付け2兆5544億円を大きく引き離していること(グラフ参照)を指摘。
個人の自己破産申請件数が同年に6万4637件と13年ぶりに増加に転じるなど「今は銀行カードローンの高金利、過剰貸し付けが横行し、『第2のサラ金問題』になっている」とただしました。
金融庁の委託調査では、カードローンを借りる理由の第1位は「生活費不足」。「派遣・契約社員」など不安定就労の層ではこれが50・6%にもなります。
「生活苦に追い込まれている人を食い物にしているのが大銀行だ」として、大門氏は、まるで安い金利のように見せかけながら高利をとっている実態を告発。「手続きかんたん」「30分審査」など、「まるで昔のサラ金と同じ宣伝文句を使っている」と金融庁の監督責任をただしました。
金融庁の遠藤俊英監督局長は「全国銀行協会も申し合わせで改善の方向だ」と答弁。大門氏は「申し合わせは『総量規制』を行う意志のないもので、何の改善にもならない」と批判しました。
改善を求めた大門氏に、麻生太郎財務相は「貸金業者にかわって大銀行が同じ手口でやっている」「行き過ぎに危惧している」とのべ、安倍晋三首相は「しっかりと対応したい」と答えました。
カードローン 銀行などの金融機関が発行するカードを利用するローン。金利は上限十数%とサラ金と同等の高利です。改正貸金業法で多重債務対策として年収の3分の1以上の貸し付けを禁止する「総量規制」が設けられましたが、銀行のカードローンはその対象外とされています。
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