2017年3月29日(水)
「核兵器廃絶へ重要な一歩」
交渉会議参加国が歓迎
【ニューヨーク=島田峰隆】ニューヨークの国連本部で27日に始まった核兵器禁止条約の交渉会議(第1会期)では、国連のキム・ウォンス軍縮担当上級代表がグテレス事務総長のメッセージを代読し、参加国の政府高官らが条約の交渉開始を「歴史的だ」と相次いで歓迎、核兵器を法的に禁止することの必要性や緊急性を強調しました。
グテレス氏はメッセージで「核兵器の保有は平和と安全を求める人類共通の願いと根本的に相いれない。核兵器に反対する国際規範の強化は重要なステップだ」と述べました。
南アフリカは、核兵器廃絶をめぐる動きが保有国の妨害で数十年にわたって停滞してきたことを振り返り、「われわれがここに集まった唯一の目的は核兵器を禁止する交渉のためだ。その意味で実に歴史的な出来事だ」と語りました。
生物兵器などの大量破壊兵器が国際的に禁止されてから廃絶へと進んだことを指摘。「核兵器を同様の国際規範に従わせる」「核兵器に関するより厳格な規範は国際的な安全保障をより強める」と述べました。
エジプトは禁止条約の交渉を支持する理由として、法的拘束力のある文書が▽核兵器の保有や使用を全面的に拒否する▽禁止によって核兵器への国際的非難が強まる▽「核抑止」に基づく軍事ドクトリンを再考させ、廃絶の決意を地球規模で強める―ことなどを挙げました。
ジャマイカは、核保有国が核不拡散条約(NPT)に基づく核廃絶の努力を怠っていることを批判。大量破壊兵器の中で核兵器だけが禁止されていないことに触れ「この受け入れがたい異常を正すときだ」と述べました。
アイルランドは、「新たな歴史を刻み、すべての人にとってより安定した、安全で平等な未来をつくる機会を迎えている」と強調。「この変化を起こす事業に、より多くの国が参加することを望む」と呼び掛けました。