2017年3月29日(水)
「国連会議」 志位委員長の会見
日本共産党の志位和夫委員長は27日、ニューヨークの国連本部内で会見し、同日に始まった「核兵器禁止条約の国連会議」について、記者団の質問にこたえて、次のように述べました。(ニューヨーク=遠藤誠二)
核保有大国の危機感と、追い詰められた姿
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――「国連会議」が始まりました。受け止めをお聞かせください。
志位 今回の「国連会議」の開会を深い感動をもって受け止めています。戦後の歴史のなかで、初めて核兵器禁止条約を正面の主題にすえた国際交渉が開始されました。ぜひとも大きな成果をあげることを願っています。
「国連会議」に並行して、米国のニッキー・ヘイリー国連大使が、一部の同盟国の大使とともに、会議と核兵器禁止条約にたいする異常な攻撃をおこないました。これは、米国をはじめとする核兵器保有大国の危機感、焦燥感のあらわれにほかなりません。彼らが追い詰められた姿を示すものです。
ヘイリー国連大使は「核兵器禁止条約は非現実的だ」といいました。しかし、それならなぜ、わざわざあのような攻撃のキャンペーンをやるのか。ああいう攻撃をやらざるをえない、そのことが核兵器禁止条約がもつ大きな力、その画期的な意義を証明していると思います。米国は自身の行動によってそのことを証明したのです。
ぜひ、「国連会議」が、各国政府と市民社会の共同の力によって、実り多い成果をあげることを期待するとともに、私たちも参加者の一人として会議成功のために力をつくしたいと考えています。
日本政府は参加するなら国連総会決議をふまえた対応を
――日本政府の対応をどう考えますか。
志位 日本政府の態度については、会議に参加するのならば、国連総会がきめたマンデート(任務)にそった行動をすべきだと思います。マンデートは明瞭です。「核兵器全面禁止をめざし、核兵器を禁止する法的拘束力のある協定について交渉する」――このことをうたっています。「国連会議」に参加するなら、このマンデートにそった行動をするべきです。核兵器禁止条約に反対という従来の態度をあらためる、抜本的に再検討することを求めたいと思います。
会議が始まっていますが、たとえば「国連会議」実現を推進した国の一つであるメキシコ代表の発言、ASEAN(東南アジア諸国連合)を代表してのインドネシア代表の発言など、各国の意気込みがひしひしと伝わってきます。「核兵器禁止条約をつくる」という一点で、国連加盟国の多数の結束が強まりつつあります。
国連を舞台として、世界の多数の諸政府と市民社会――この歴史の本流と、核兵器保有大国を中心とする会議に反対する逆流のぶつかりあいが非常に鮮明な形で示されていると思います。