2017年3月29日(水)
被爆の地獄 再現させない
核兵器禁止条約の国連会議 被団協・藤森さんが発言
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【ニューヨーク=加來恵子】ニューヨークの国連本部で27日始まった核兵器禁止条約の交渉会議で、被爆者で日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)事務局次長の藤森俊希さん(72)が登壇し、「同じ地獄をどの国のだれにも絶対に再現してはならない」と核兵器禁止条約の成立を訴えました。(全文)
藤森さんは、広島で生後1歳4カ月の時に被爆し、目と鼻と口だけを出して包帯でぐるぐる巻きにされたと述懐。「死を迎えるとみられていた私が奇跡的に生き延び、国連で核兵器廃絶を訴える。被爆者の使命を感じます」と語りました。
その後、母親が、毎年8月6日に子どもたちを集め、涙を流しながら体験を話したのは、「生き地獄を再現してはならないという母性の叫びだったと思う」と訴えました。
核兵器保有国と同盟国が核兵器廃絶条約をつくることに反対し、唯一の戦争被爆国の日本が核兵器禁止条約の交渉会議の招請を求める国連総会決議(2016年12月23日)に反対したことについて、「心が裂ける思いだった」と述べました。
核兵器を禁止し廃絶する条約を結ぶことをすべての国に求める「ヒバクシャ国際署名」にとりくみ、現在累計で172万余人分が集まっていることを紹介。「決して落胆していません」とのべ、「法的拘束力のある条約の成立と発効に力を尽くそう」と呼びかけると、会場から拍手がわきおこりました。