2017年3月29日(水)
核兵器禁止条約実現へ 歴史的な国連会議始まる
「核兵器のない世界」めぐり 本流と逆流の姿 鮮明
志位委員長が文書発言
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【ニューヨーク=遠藤誠二】歴史上初めて、核兵器禁止条約を正面の主題にすえた「国連会議」が27日、ニューヨークの国連本部で始まりました。初日の討論では、発言したほとんどの国の代表が、「歴史的」「画期的」と同会議の開催を歓迎。一方、条約に反対する米国や英国、フランスの核兵器保有国とその同盟国の国連大使は、会議開幕にあわせ本会議場の外で会議に反対する会見を開きました。日本共産党の志位和夫委員長は、核軍縮・不拡散議員連盟(PNND)の一員として会議に出席し、「どのようにして『核兵器のない世界』を実現するか」と題した文書発言を国連に提出しました(全文)。国連を舞台に「核兵器のない世界」をめざす本流と逆流の姿が鮮明になりました。
今回の第1期会議は31日まで5日間、開かれます。27日の討論には約115カ国が参加。オーストリアのキッカート国連大使は演説で「核兵器の禁止に地球規模で広範な支持があることを示している」と指摘。「核兵器の危険を減らす唯一の方策は法的拘束力のある文書で禁止することだ」「(核兵器の全面廃絶にむけ)法的な禁止という最初の一歩を踏み出すべきだ」と強調しました。
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他の代表からも、核兵器禁止条約を実現し、核兵器全面廃絶に道を開くため新たな一歩を踏みだそうとの発言が相次ぎました。
志位委員長は同日、記者会見を開き、国連に提出し受理された文書発言の内容について説明。志位氏は「核兵器のない世界」を達成し維持するための法的措置として、国際社会の多数の支持を得ているアプローチとして、(1)「核兵器を禁止する法的拘束力のある文書」(核兵器禁止条約)(2)「包括的な核兵器禁止条約」の二つのアプローチがあることを指摘。「日本共産党はこの二つのアプローチとも強く支持するが、今回の『国連会議』では、第1のアプローチ――核兵器禁止条約の早期締結にむけた国際的合意を達成することが最も現実的で効果的だ」と表明しました。
日本政府は「国連会議」の初日に出席、発言しましたが、「現実の安全保障の観点をふまえずに核軍縮を進めることはできない」「核保有国が参加していない」などとの理由で反対の主張を展開しました。
志位氏は会見で、「会議に参加するのだったら国連総会が決めたマンデート(任務=「核兵器全面廃絶につながる、核兵器を禁止する法的拘束力のある協定について交渉する」)にそった行動をすべきだ。禁止条約に背をむける態度を抜本的に見直すべきだ」と厳しく批判しました。
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志位委員長の文書発言(骨子)
一、「核兵器禁止条約の国連会議」の開催を心から歓迎。
一、「核兵器のない世界」を達成し維持するための法的措置――二つのアプローチ。
一、核保有国の参加を追求しつつ、参加が得られなくても賛成する諸国で禁止条約締結を。
一、日本政府は、被爆国政府として、核兵器禁止条約に賛成の態度を。