2017年3月24日(金)
大型道路より被災者支援を
熊本・益城町復興で交通量調査
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間もなく1年を迎える熊本地震で、震度7を2度記録するなど甚大な被害がでた熊本県益城町の復興をめぐり、中心市街地を通る県道28号線(熊本高森線)の現2車線を4車線(27メートル)に拡幅する計画について、同町沿線住民らでつくる「四車線化を見直そう会」は23日、同路線の交通量を調査しました。
調査は、事前に住民への十分な説明なく昨年秋に突然提案された同計画の大前提の交通量を住民が実際に確認しようと行われたもの。熊本県は総事業費153億円の計画を明らかにしています。
会の上田たかこ共同代表は「応急・みなし仮設住宅や壊れたままの家に住み続ける町民の願いは住宅の再建。巨額予算は大型道路ではなく、被災者支援に向けてほしい」と述べました。
沿線に住む50代の女性は「今の道幅で不便を感じることはなかった」と言い、「4車線化による町の分断で病院通いや買い物は不便になり、交通量とスピードをあげる車が増え、事故が心配です」と話しました。
調査に参加した町や村づくり・再生を研究している中島煕八郎熊本県立大学名誉教授は計画について、「地震前からある大空港構想の一環で緊急性はなく、空港アクセスの混雑緩和が主な目的で住民へのメリットはほとんどない。一方で生活道路が未整備のまま放置されるなどかえって生活再建が阻まれる」と指摘しました。
「見直そう会」では、アンケート調査などで、町民に計画の有効性や実態を知らせる活動を続けるとしています。