2017年3月24日(金)
ヤマト残業代 調停成立
横浜地裁 労働者側「主張通った」
ヤマト運輸の元宅配トラック運転者2人が会社にサービス残業代(未払い残業代)を請求していた労働審判は23日、横浜地裁で第2回の審理を行い、双方合意の調停成立によって解決しました。
具体的な金額は非公開ですが、労働者側代理人の穂積匡史弁護士は「こちらの主張が通ったものと理解している」と指摘。この結果が、ヤマトの未払い残業調査に波及すれば、支払い金額が大幅に増える可能性があります。
トラック運転者の2人は労働基準監督署申告によって、サービス残業と違法な長時間労働の是正勧告を得ました。労働審判では、それぞれ、2014年〜16年7月の301万円、14年2月〜16年1月の276万円を請求。これに対し、会社側は72万円、90万円を提示しました。
会社側の計算は、▽変形労働時間制をあてはめ、残業時間を減らす▽長時間労働を認定する代わりに配達出来高を減らす▽残業代算定の基礎賃金を低く見積もる―などしたもの。労働者側は、ヤマトの職場が変形労働時間制の労働基準法の要件に違反していることなどを主張しました。
この日の労働審判には、労働者側から当事者2人、穂積弁護士、神奈川労連の澤田幸子労働相談センター事務局長が出席しました。
調停を受け、本紙問い合わせに、ヤマト本社は「未払い残業調査の具体的な内容は差し控えたいが、ヤマトでは変形労働時間制を採用している。一人ひとり面接し、ていねいに調査している」と答えました。