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2017年3月23日(木)

「核兵器なき世界」見直す

米政府高官“禁止条約交渉に反対”

「同盟国は不参加を」

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 【ワシントン=洞口昇幸】米国家安全保障会議(NSC)で大量破壊兵器や不拡散を担当するフォード上級部長は21日、オバマ前大統領が掲げた「核兵器なき世界」を追求する政策を見直していることを明らかにしました。27日からニューヨークの国連本部で始まる核兵器禁止条約の交渉会議にも反対し、同盟国に対して参加しないよう要求しました。

 オバマ氏は2009年のプラハ演説で、核兵器のない世界に向けて「米国は行動する道義的な責任を持っている」と語りました。フォード氏は首都ワシントンの講演で「プラハ演説は非現実的な期待を助長した」と強調。トランプ政権が進めている核政策の見直しには「核兵器のない世界という目標が現在の国際安全保障環境を踏まえた時に中長期的に現実的な目標なのかどうかが含まれる」と述べました。

 フォード氏は、核兵器禁止条約について「根本的に間違った方向だ」「米国と欧州・アジア太平洋地域の同盟国との核抑止に基づく関係の合法性を失わせ、損なわせることを意図している」と危機感をあらわにしました。「米国と同盟国の関係が失われれば紛争や侵略がいっそう増える。禁止条約は国際の平和と安全に逆行する」などと語りました。

 条約交渉をめぐっては「米国は反対する。他の国々にも反対するよう働きかけ続ける。同盟国がこうした危険な動きに加わらないことを望む」と述べました。


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