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2017年3月21日(火)

主張

「豊洲」百条委喚問

石原氏の居直りは通用しない

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 東京都の築地市場(中央区)の移転予定地とされる豊洲新市場(江東区)をめぐる疑惑解明のため都議会に設けられた百条委員会で20日、移転を決断した石原慎太郎元知事の証人喚問が行われました。この間、石原氏は「移転は既定の路線だった」などと責任逃れの発言を続けてきましたが、この日も「担当者に一任していた」「記憶にない」と繰り返しました。しかし、百条委では元市場長ら都幹部が当時知事に報告していたことを明確に証言しており、石原氏の言い分との食い違いは明白です。石原氏の再喚問をはじめ、徹底的な解明はいよいよ必要です。

不誠実極まる「記憶ない」

 有害物質に汚染された東京ガス工場跡地の豊洲がなぜ移転先に決まったのか。東京ガスが負担すべき土壌汚染処理費用を免責するなどの譲歩を重ねたのはなぜか―。豊洲移転をめぐる一連の疑惑について、移転を決めた当時の都政の最高責任者である石原氏には、その経過を都民の前に明らかにする責任があります。ところが石原氏は都民の疑問にこたえようともせず、最終決裁をしたのは自分と認めたものの、豊洲移転は「都庁全体の大きな流れだった」、土壌汚染対策も「大丈夫と聞いていた」などと言い張りました。都の負担増につながる土壌汚染対策費用の負担区分を定めた東京ガスとの「契約書」も「記憶にない」と居直りました。559億円の巨額な契約だというのに、あまりに無責任です。

 元市場長らは11日からの証人喚問で「2010年10月に知事が決断した」と証言しており、「都庁全体の流れ」などという責任転嫁は通用するものではありません。

 豊洲の汚染が次々と発覚し、土壌汚染対策費が586億円と試算されながら、東京ガスに約80億円しか求めなかったことについても日本共産党都議団の尋問に元市場長は「知事に説明した」と証言しました。偽証をすれば罰則が科せられる百条委でこれらの証言は極めて重いものです。石原氏の不誠実な態度は到底許されません。

 石原氏の命を受け東京ガスと交渉した浜渦武生元副知事の19日の証人喚問の姿勢も厳しく問われます。01年に東京ガスと「基本合意」を結んだ後は交渉に一切関わっていないと証言しましたが、党都議団は、03年に浜渦副知事あてに土壌汚染対策で指示を求める都の部長連名による内部文書を明らかにしました。浜渦氏の証言が偽りである可能性が濃厚です。

 党都議団の尋問で、東京ガスに「基本合意にあたっての確認書」の存在を初めて認めさせ、土壌汚染処理費用の免責につながるレールが敷かれたことも判明しました。また豊洲市場用地の概算評価額が事前に東京ガスに漏れていたことを示す資料を暴露しました。移転をめぐる深刻な「闇」の一端です。強力な調査権限を持つ百条委の役割はますます重要です。

高濃度汚染に不安広がる

 豊洲新市場の地下水モニタリング再調査で環境基準の100倍のベンゼンなどが検出され、都民の不安は広がり、市場関係者から怒りが上がっています。市場移転を推進してきた石原氏をはじめ3代の知事、自民党、公明党などの責任は極めて重大です。破綻が明白な豊洲移転の中止を含めた抜本的な見直しは焦眉の課題です。


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