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2017年3月19日(日)

主張

国連の交渉会議

核兵器廃絶への歴史的一歩を

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 「核兵器全面廃絶につながる、核兵器を禁止する法的拘束力のある協定について交渉する国連会議」が27日からニューヨークの国連本部で始まります(第1会期、31日まで)。「核兵器のない世界」への歴史的な一歩を踏み出せるのかどうか、注目されます。

多数の力で大国に対抗

 第1回原水爆禁止世界大会(1955年、広島)は、その「宣言」で「原水爆が禁止され、その貯蔵が破棄される」日まで運動する決意を表明しました。核兵器禁止条約は、被爆者を先頭とする日本と世界の反核平和運動、大多数の非核保有国が一貫して求めてきたことです。国連総会も20年以上にわたって、核兵器禁止条約の交渉を求める決議を上げてきました。

 2000年の核不拡散条約(NPT)再検討会議は、「核兵器の完全廃絶を達成するというすべての核保有国の明確な約束」を確認し、10年の再検討会議では、「核兵器のない世界」を実現、維持するための「枠組み」をめざすことで合意しました。

 しかし、核保有国は、これらの合意に背を向け続け、「段階的アプローチ」などと称して、実際には核兵器廃絶を永久に先送りする態度をとってきました。

 平均年齢80歳を超えた被爆者は、「生きている間に何としても核兵器のない世界を実現したい」と切望しています。「このまま待ち続けるわけにはいかない」―市民社会と非核保有国の決意と行動が、歴史上初めて核兵器禁止条約の交渉を主題にすえた今回の「国連会議」を実現したといえます。大国の支配に民主主義の力で対抗した画期的な出来事です。

 核兵器禁止条約は、核兵器全面廃絶への決定的な突破口となります。条約が締結されれば、核兵器は人類史上初めて「違法化」されます。米英仏ロはこの会議を開催する国連総会決議に反対し、中国は棄権しました。アメリカの「核の傘」に依存する国々も反対しました。しかし、核保有国が条約への参加を拒否しても、締結後は違法な兵器を持つ国として政治的・道義的拘束を受けます。これらの国々への国際的な批判もいっそう高まることは間違いありません。

 米国のトランプ政権は、日本の交渉参加に反対する意思を日本政府に伝えている、と報じられています。安倍晋三政権がこれに従うならば、「核兵器のない世界」への妨害者としての姿をさらすことになるでしょう。米国の「核の傘」に頼る日本政府が、「自衛」を口実に核開発を続ける北朝鮮にたいして、説得力ある外交を展開できないことも明らかです。日本政府は、唯一の戦争被爆国にあるまじき態度をあらため、禁止条約に賛成すべきです。

かぎを握る世論と運動

 今後の帰趨(きすう)は世論と運動にかかっています。国連会議は政府代表の会議ですが、市民社会の代表も参加し、発言することになっています。被爆者など日本と世界の反核運動やNGO(非政府組織)代表も結集します。日本共産党は、志位和夫委員長を団長とする代表団を派遣し、「核兵器のない世界」への扉を開く歴史的会議として成功させるために尽力します。日本国内では27日に国会前集会も行われます。「ヒバクシャ国際署名」をはじめとする国民的運動の発展が強く期待されます。


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