2017年3月17日(金)
国保料 都が過酷な徴収促進
都議会で和泉議員 生活再建支援こそ
日本共産党の和泉なおみ東京都議は15日、都議会予算特別委員会で総括質疑に立ち、高すぎる国民健康保険料の滞納世帯への区市町村による過酷な徴収を都が促進している問題を取り上げました。和泉氏は、生活再建型の滞納整理への転換、国保料の減免拡充を小池百合子知事に求めました。
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和泉氏は、都の被保険者1人当たりの所得が1999年の117万円から2015年の101万円へ年額16万円も下がっているのに対し、23区の国保料均等割は同じ間に2万6100円から4万4700円へと1万8600円(1・7倍)も上がっていることを挙げ、都として減免を拡充するよう求めました。梶原洋福祉保健局長は「国保の制度上の問題は国が責任を持って検討すべきもの」と答えるにとどまりました。
和泉氏は国保料滞納世帯に対する差し押さえについて、「徴収強化や差し押さえには都はとても積極的に関わっている」として、都が区市町村に、国保料滞納世帯の財産の新規差し押さえ件数などに応じて、15年度には10億円を超す交付金を交付していると指摘。「都の交付金が区市町村をしゃにむに強引な徴収に駆り立てている」と批判しました。
和泉氏は、滞納を生活困窮のシグナルととらえ、強引な徴収ではなく生活再建の支援をしている滋賀県野洲(やす)市の事例を紹介。「交付金を使って収納率を上げるなら、こうした例に学ぶべきだ」と強調しました。
小池知事は「地方自治のさまざまな例はお聞かせをいただいた」と答えました。