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2017年3月16日(木)

主張

「森友」国会招致

首相や与党は何を恐れるのか

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 大阪の学校法人「森友学園」が、大阪府豊中市で格安で払い下げを受けた国有地に小学校を開校しようとしていた問題は、評価額からの大幅な値引きや設置認可をめぐる疑問などさまざまな問題が噴出し、法人側が認可申請を取り下げる事態になりました。疑惑は何一つ解明されていません。国有地を管理する財務省理財局は資料の廃棄を理由に経過説明を尽くさず、安倍晋三首相や自民、公明の与党も籠池泰典理事長の国会招致などに背を向けています。疑惑が残る以上、国会でも府議会でも徹底解明するのは当然です。首相や与党は何を恐れているのか。

稲田氏の虚偽答弁は重大

 稲田朋美防衛相が国会で「森友」との関係を追及され、「法律相談を受けたこともない」などと答弁しながら、かつて裁判に立ち会ったり、献金を受け取ったりしていたことが暴露され、答弁を取り消し陳謝した事態は、疑惑の真相解明が重要であることを浮き彫りにしています。「記憶」だけで、国会で平然とうそをついた稲田氏に閣僚の資格はありません。「森友」との関係を指摘された安倍首相夫妻も道義的責任は明らかです。

 本来譲渡が原則の国有地が最初「森友学園」に貸し付けられ、「森友」が購入を申し出ると不動産鑑定で10億円近い土地が廃棄物が埋まっているからと8億円も値引きされた破格の安値で、しかも10年間の分割払いで払い下げられたなどという問題が、重税に苦しむ国民常識からも認められるはずがありません。理財局は資料は廃棄したと説明を尽くさず、安倍首相もそれを認めているのは、まさに疑惑にほおかむりするものです。

 異常な取引には政治家などの関与が疑われます。現に自民党の鴻池祥肇参院議員はその一端を証言しました。「森友」は幼稚園経営しか経験がなく、資金や体制不足も指摘されていたのに、大阪府が設置を許可しようとした背景にも、国や政治家の関与が言われています。安倍首相や自民、公明の与党は直ちに籠池理事長や当時の近畿財務局関係者らの国会招致に応じ、疑惑に応えるべきです。

 「森友」が木質校舎に補助金を出す国(国土交通省)と校舎の防音工事などを助成する空港運営会社、財務の見通しなどを審査する大阪府へと、3通りの建設費を提出し、一部の補助金は支払われていたという問題は、まさに「補助金詐欺」「助成金詐欺」そのものであり、不正行為です。自民、公明の与党は籠池氏らの国会招致に対し、籠池氏は「民間人」であり、違法が明らかでない以上、慎重にすべきだといいますが、国民の財産である国有地の取引をめぐってこれほどの疑惑が明らかになり、明白な「詐欺」まで疑われているのに、「違法が明らかでない」などと言い張るのは不正をかばうものです。

国民の多数が解明求める

 「森友」問題について各マスメディアが実施した調査では「説明に納得していない75%」(「毎日」)、「国会招致が必要70%」(「朝日」)、「売却価格に納得できない80%」(NHK)など、解明を求める声が圧倒的です。世論を踏みにじる首相や与党の態度は重大です。

 自らの手での調査にも関係者の国会招致にも応じないのなら、安倍政権が疑惑に手を貸しているという疑いと不信がますます強まるのはまちがいありません。


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