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2017年3月15日(水)

着陸帯 はや水漏れ

沖縄米軍オスプレイ 赤土流出恐れ

工期短縮 ずさん工事か

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 沖縄県国頭郡国頭村、東村に広がる米軍北部訓練場で、昨年12月に「完成」後、米軍に提供された海兵隊普天間基地所属の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイのための6カ所の着陸帯(ヘリパッド)のひとつN1地区で法面(のりめん)から水漏れ、斜面が変形し、放置すれば自然環境への深刻な影響につながる可能性のあることが土木技術者への取材で分かりました。(山本眞直)


写真

(写真)政府の「年内完成」の工期短縮によるずさんな工事で、水漏れなどによる法面が変形し斜面補修、芝張り替えに追い込まれているN1ヘリパッド=2月25日(提供写真)

 土木技術者は「水漏れは内部にたまっている水分がにじみだしたもので、放置すれば路盤がゆるみ法面の崩壊につながる。盛り土された赤土の大量流出による環境破壊は必至だ」と指摘します。

 法面の変形が確認されたのは、県民の水がめのひとつ新川ダムの北西方向約1キロにあり、二つの着陸帯が隣接しています。

 北側の着陸帯の表面から1・5メートル付近の斜面で水漏れがあり、土中に雨水が浸透して軟化し、膨らんだ状態に変形しています。

 沖縄防衛局は現場をブルーシートで覆い応急処置を施しています。しかしブルーシートで覆っているよりも低い位置で、張り芝が異常に波打ったようにはがれかけている模様が確認されています。

 土木技術者は、通常こうした工事では盛り土する土を30センチの厚さごとに重機を使って、砂利を締め固めて積み重ねます。

 現場は、もともと沢で、その部分を盛り土して造成したものです。崩落しかけている原因を土木技術者はこう指摘します。「盛り土施工時の転圧(ローラーなどで土を締め固める)不足にあることは間違いない」

 転圧が不十分だと、土の粒子間の隙間が大きく、水が浸透しやすくなるからです。ヘリパッドの斜面は「軽量法枠」という特殊な工法がとられており、通常よりも崩落しづらい構造といいます。

 しかし指摘される事態は、降雨によりヘリパッド表面から浸透した雨水が土中に蓄積され、逃げ場のない水が転圧不足の斜面からにじみ出した、と考えられます。

 土木技術者は「集中的に雨が降れば、確実に崩落するだろう」とした上で、こう指摘します。

 「崩落の原因は施工上の問題であるが、従来の工期で施工していれば厳密な盛り土を行ったはずだが、政府から『年内完成』という工期短縮を強いられたことで、ずさんな施工にならざるを得なかったのが本当の理由である」


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